鼻からたらり 1 (翔) ページ1
翔Side
額を左から右へ拭った手の甲が、ついた汗でキラキラと光っている。
ほんの十数分歩いただけなのにな…
つい最近まで寒くて仕方なかったのに、今はそれも懐かしい。
翔「あっちぃな…」
ポケットからハンカチを取り出して手の甲と額、首までをサッと拭いて上着も脱いだ。
これだけ暖かければ半袖でも寒くねぇや。
家と仕事場の往復だと気づきにくいけど、こうして昼間に外を歩くと春になったのを実感する。
結「あー！しょーちゃーん！」
今日の幼稚園のお迎えは俺。
園内に入るとすぐに砂遊びで手をどろどろにした結心が駆け寄ってきた。
結「わーい、しょーちゃん！」
翔「おおっ。今日も幼稚園楽しかった？」
結「うん！」
汚れた手を伸ばして抱きついてこようとしたから、手首を両手で掴んでさりげなく止めてから頬を指の背で撫でてあげた。
白T着てきちゃったからさ、抱っこは手を洗ってからでもいいかな(笑)
結「ままは？」
翔「ママはね、お家でおやつ作ってるよ。
今日はイチゴケーキだって」
結「いちごぉ！？きゃ〜♪」
イチゴ、大好物だもんな。
その美味しさを想像してか、顔に手のひらを当ててウットリ…
っておいおい！その手で触っちゃ…
翔「ああ〜、こりゃ酷い。はははっ」
結「…んう？」
白い頬に黒い汚れをつけながら、なぜ俺に笑われているのかわかっていない結心は首を傾げて不思議そうな顔をしている。
今のキョトン顔、写真にとっておきたかったよ。
翔「帰る前におてて洗…へっ…」
結「へー？」
翔「ヘックション！！」
結「あー！はなみずー！」
思い切りくしゃみをしたと同時に、鼻水砲が発射された。
さっきまで俺が結心を笑っていたのに、今度は結心が俺を笑っている。
まぁ別にそれはいいんだけど、さすがに先生に鼻水垂らしてる姿を見られるのは恥ずかしいから。
周りにバレないように、静かに頼むよゆいさん。
結「かふーしょー？」
翔「うーん、そうかなぁ」
花粉症、最近はくしゃみも治まってたんだけどなぁ。
外歩くのにマスクもしないのはさすがに気を抜きすぎたか。
翔「はい、こっち向いて。あぁ、ちょっと固まっちゃったね」
水道で手を洗って、濡らしたハンカチで乾いて固くなった泥を頬から剥がしてあげた。
さあ、綺麗になったしお家に帰りましょう。
翔「かばん持ってきて〜？」
結「はーい。あっ！」
翔「ん？あっ…」
あら〜…これはまた随分と派手に。
なんて声をかけようか…
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ちさ(プロフ) - ユーラシアさん» 楽しんでいただけているようでとても嬉しいです。すごく力になりました！遅くなってしまいましたがPart17に移行して新しいお話も更新しましたので、のぞきに来ていただけると幸いです (2016年8月7日 1時) (
レス) id: 10871da05b (このIDを非表示/違反報告)
ユーラシア - とってもとってもとってもワクワクします。私毎回待ちきれないです。頑張ってください (2016年7月29日 20時) (レス) id: 9a340dd8ed (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - まみさん» わ〜嬉しいです、ありがとうございます！そう言っていただけると、お話を書くのがさらに楽しくなりそうです♪ 少しずつ準備を進めて、できるだけ早く更新できるように頑張りますね (2016年7月25日 22時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - いつも見させていただいてます！とてもおもしろくて、はまってしまいました！続編楽しみにしています！ (2016年7月22日 23時) (レス) id: e125ca4219 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - ゆなひろまこまこさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。できるだけ早く更新できたらと思っていますので、またのぞきにきていただけると幸いです (2016年7月18日 23時) (レス) id: c91b655369 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2016年4月11日 1時
