パパが治してあげようね *ARS* 12 (ページ50)

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肋骨骨折　12　(潤) ページ50

智Side

潤「痛い！痛いって！」

翔「まだ何もしてないよ(笑)
ほら足バタバタさせないで？俺が上に乗っちゃうぞ？」

数分前「よしやるぞ！」の声にハッとして逃走態勢にはいった潤も、それを予測していたお兄ちゃんから逃れることは出来ず。
床に敷かれた布団の上に、仰向けに寝かされて服を捲くられている。

潤「翔にぃ寒い」

翔「内出血がどうなったか見てるんだよ」

潤「ねぇ寒いって」

翔「わーかったよ。はいはい」

完治とはいえないけれど、ここまで回復したのは長い間固定と安静を続けたおかげ。

だから今度は、制限していた身体の機能を元に戻さないと。
昨日から翔がリハビリしてくれてるんだけど、けっこう痛かったみたいでね。

翔「力抜いて？軽く押すよ」

潤「いっ…たい！骨折れる！」

翔「折れません。だから忠告しておいたのに。少しがまん」

胸に手を当ててそっと押したり、固くなっちゃった筋肉をほぐしたり。

もっと前からやろうって翔は言ってたんだけどね。
でもまだ触られるのが怖いとかって、潤が拒否をしていて…

始められたのが遅かったから、リハビリの痛みも強いんだって。

翔「ちゃんとほぐしておかないと、身体に影響出るよ？」

潤「でも翔にぃ馬鹿力で痛いんだもん。他の人にして」

翔「潤くんよ、いつからそんなワガママになったんだ？ん？」

仲がいいんだか悪いんだか。
膨らんだほっぺたを人差し指でツンと突っついた翔に、ワガママ王子はご立腹。

なんだか最近は言い合いばっかりしてるようだけど、潤がこんな風にワガママ言えるのは、翔が相手だからなんだ。

相性かな。僕の前では我慢してしまうことも多いから。

それでいいよ。
家族なんだから。変に我慢して溜め込むよりはいい。

翔「なんだかんだ頑張れてるじゃん。えらいえらい」

潤「大人しくしてないと骨折られるじゃん…」

翔「だから折らないって(笑)
ほら、手バンザイして？顔の横で」

潤「…こう？」

翔「そうそう。いいね～。ボク潤でちゅ、って」

潤「お、俺で遊ばないでよ！」

翔「ごめんごめん、冗談」

赤ちゃんポーズさせられて、顔赤くして照れて怒って。
「だから翔にぃは嫌なんだ」なんて言ってるけど…でも見ればわかるよ。

口ではあんなことを言ってても、潤は翔を信頼してる。
目ではしっかり、ありがとうって。

翔「最後まで責任持って治すからね」

潤「……うん」

ちゃんと、伝わってるみたいだね。
翔先生に任せておけば、完治まで遠くないはず。