肋骨骨折 11 (潤) ページ49
雅紀Side
骨折をしてからそろそろ3週間。
最初の一週間くらいは何をするにも大変そうだったけど、その後は順調に回復して我が家にも平和が戻った。
もうね、大変だったんだよ。
お風呂に入るにも一苦労。
雅『いいじゃん俺と一緒でも』
潤『ヤダよ、一人で入る』
雅『心配だもんダメだよ』
潤『俺は恥ずかしいんだって』
これと同じ会話を今までに何度もした。
で、その後に必ず「照れちゃって可愛いね〜」って話になるんだけど、これがまた潤の癇に障るようで。
潤「もうその話はいいって。しつこい」
雅「ごめん、もうしないから。
だけどホントに可愛かったんだよ。俺に裸見られただけで照れちゃうんだもん」
潤「だから！可愛いやめろって！」
骨折してすぐ、一人ではまともに動けないのにシャワー浴びたいなんて言うから。
それはもう、俺が一緒に入るしかないじゃんね。
最初の一回は渋々受け入れてくれて、俺が頭を洗ってあげたりしたんだけど。
兄弟だってのに、タオルで前を隠したりとか、ちょっと挙動不審になってる感じが可愛くてね。
それをみんなに報告したら、潤怒っちゃった。
それからは毎回。
「今日シャワー浴びる？」「浴びる」「じゃあ俺と…」「やだ」「なんで！」「なんでも」「シャワー浴びたいんでしょ？」「うん」「じゃあ俺と…」「やだ」「なんで！」
ずーっとこれの繰り返し。
別に潤をからかいたいとかじゃなくて、本当に心配だったんだよ。
またお風呂でこけたりしたらどうしよう、とか。
激痛が走って、一人の時に呼吸困難になったらどうしよう、とか。
潤「そんなのありえないよ。心配症なんだから」
雅「ありえないと思ってることが起こるから事故なんだよ？
事故はいつどこで起こるかわからないから怖いんだよ？」
潤「ん…まぁ…」
潤はキツイことをいうことも多いけどね。
でも、最後には必ず。
潤「助かったのは事実だし。あの…ありがと」
優しい子。気遣いのできる子。
みんな見て！こいつね、俺の弟！そうやって、自慢したくなる子。
だからね、俺…
雅「潤好きっ！」
潤「なっ。え、どうした。バカになった？」
素直な気持ちを伝えたら、渋い顔をされた上にバカ呼ばわりされた。
ちょうどリビングに入ってきた翔にぃまで、「バカなのは今に始まったことじゃない」って。
別に二人で盛り上がるのは構わないけどさ。
翔にぃが来たってことはあれが始まるんじゃないの？
潤が嫌いな痛いやつ。
いいの？逃げなくて(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2014年6月28日 23時
