肋骨骨折 5 (潤) ページ43
雅紀Side
用事を済ませて家に帰ってきたら、リビングに布団が敷いてあった。
テーブルが端っこに追いやられて、ラグの上に2つ並んで置いてある。
雅「そっかぁ〜。俺が疲れて帰ってくると思って用意してくれてたんだ〜」
スーツの上着をポーイと放りながら、布団の上に勢い良くダイブする。
そしたら間髪を容れずに、「バカ！」とお尻を叩かれた。
雅「いてっ！なんだよ〜、翔にぃ」
翔「ズボンにしわがつくだろ、おバカ」
雅「バカバカ言う方がバカなんだよ？」
翔「そんな小学生みたいなこと言わないでくれよ…
よいしょと、腰が細いな〜雅紀は」
呆れたように笑った翔にぃに、「早くどきなさい」ってウエストを掴まれて引き上げられる。
四つん這いになったところで「ワンっ」って言ってやったら、またお尻を叩かれた。
雅「いったい！暴力反対！」
翔「雅ワンコさぁ、なんでそんなに元気なわけ？」
雅「俺はいつでも元気だもん。
それより潤は？家にいるんでしょ？」
翔「あー、今智にぃと着替えに行ってる。
時間かかってんなぁ…何かあったかな」
翔にぃとのお遊び…あ、俺が遊んであげてたんだけどね。
それはもうこのくらいにしておいて。
真剣に潤の心配。
朝から体調悪そうだったから気にしてはいたんだけど、まさか倒れて骨折するなんて。
雅「ベンチにぶつけたんだっけ？」
翔「そうそう。手が出なかったんだってさ。
脇腹から思いっきりぶつけたんだろうな、可哀相に」
雅「うわぁ…痛そ…。しばらく安静にしてなきゃね。
入院するって言ってたのに、家に帰ってきてよかったの？」
翔「よくないけどさ…。でも、あんなふうに言われちゃあなぁ…」
ため息をつきながら下を向いた翔にぃは、前髪をワシャワシャと掻きながら「仕方ないよな…」と独り言をつぶやいている。
実は俺、智にぃから病院での一部始終を教えてもらってるんだ。
翔にぃね、説得に失敗したの。
あの人、厳しいところもあるけど基本は甘々だから。
雅「俺も今度入院させられそうになったら『翔にぃなんて嫌いだ〜』って泣こっと」
翔「おまっ…知ってんの！？」
潤の涙には弱いからね、翔にぃ。
ほんと、そういうところ…
雅「かーわいいっ」
翔「ったく、兄貴をバカにするな、バカ！」
雅「あー、またバカって言ったー！」
智「コラコラ、なに喧嘩してんの？」
救世主現る！
翔にぃなんかよりずっと頼りになるお兄ちゃん(笑)
俺イジメられてるから助けて〜
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作者名：ちさ
| 作成日時：2014年6月28日 23時
