夏の思い出 6 ページ30
翔Side
夏に汗かいて煙を浴びながらバーベキューするのって、なんでこんなに楽しんだろうな。
今はまだ明るいけど、日が落ちてからバーベキューの終わり際に網の上の残り物をつまんでゆっくりビール飲むのが最高でさ。
とりあえず今はお腹を満たしてあげないとだからガンガン焼いてるけど。
雅「翔にぃ〜ゆいちゃんが来ましたよ〜」
殻ごと焼いていたエビに塩を振っていたら、ゆいと手をつないだ雅紀が手を振りながらやってきた。
思わず振り返してしまった自分にちょっと恥ずかしくなりながらも(笑)
軍手を外してニコニコしながら見上げてくるゆいの頭をなでなで。
翔「お肉美味しかった?」
結「うん!! やららかかった!!」
翔「ははっ、そっか。柔らかかったか。よかった」
子供の言い間違えって、クスっと笑えてしかも可愛いんだよな。
肉の味はゆいも気に入ってくれたようで、俺も満足。
…まぁ、塩コショウぶっかけて焼いただけなんだけど(笑)
結「ゆいもやりたい!! おにく、やくー」
翔「ゆいちゃんもやりたいの?
うーん…でもなぁ。ちょっと危ないかなぁ…」
子供用の包丁できゅうりや豆腐を切ったりなんてことはしていたけれど、火を使わせたことはまだない。
それでも何事も経験だしなぁ…
俺がずっとついててやれば大丈夫か。
そう思って「一緒に焼こうか」って言おうとした時。
雅「あっ、ゆいちゃんダメ!!」
結「ふぇっ…うえーん!!」
あちゃ〜…やっぱりか。
網の端っこではホタテやハマグリをそのまま焼いていたから、少し口を開けた貝に興味を持ったんだろう。
それに手を伸ばしたのと、雅紀が声を上げたのは同時だった。
俺には貝に触れたように見えたんだけど、泣いているのは熱かったからなのかな。
それとも雅紀の声にびっくりしただけか。
結「ったい、ったいー!!」
翔「痛いね。どこ痛い? 右手かな…」
雅「ごめん止められなくて。火傷しちゃった?」
翔「うん、ちょっと赤くなってる。まぁでもこれくらいなら大丈夫」
やっぱり熱くなった貝に触れてしまっていたようだ。
しかも人差し指から薬指まで3本も。
ずいぶん大胆に触ったんだな〜(笑)
和「ゆいちゃん、ここにおてて入れてごらん?
痛いのなくなるよ」
翔「ありがとう、和。中いって、明るいところでよく見てやってくれる?」
和「うん。あ、エビ取っといてね」
和、エビ好きだもんな。
素早く冷水を持ってきてくれたことに感謝して、俺の分のエビも和にあげることにするよ(笑)
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作者名：ちさ
| 作成日時：2014年6月28日 23時
