夏の思い出 5 ページ29
雅紀Side
翔にぃが頭に巻いてくれた手ぬぐいのおかげで目に汗が入ることもなくなり、順調にうちわをパタパタしてた。
ちょっと張り切り過ぎちゃって「炭が燃え尽きちゃうよ」って笑われちゃったけど。
でも頑張ったおかげですぐに火起こしは完了。
4時過ぎにはバーベキューをする準備は整っていた。
雅「ねぇ、出来たよ!! 早く焼こうよ!!」
翔「ははっ、お腹すいた? お昼ごはん、素麺少し食べただけだもんな。
食材の準備が出来てたら始められるけど、どうだろ」
雅「俺見てくる!! 翔にぃは座ってて。ビール持ってきてあげるね」
今日一番働いているのは間違いなく翔にぃ。
今はもう着替えたけど、汗で濡れたTシャツは絞れそうな程だった。
肌もだいぶ焼けたような気がする。
ここまで頑張ってくれたから、これからは俺らが頑張らなきゃね。
翔にぃには座っててもらって、俺が肉を焼こう。
焼くだけだもん!! 俺でも出来る!!
って、意気込んでたんだけど。
「あー、そっち焦げるよ。ほら、端っこのやつ」
「わかってる!! ちょっと待って!!」
「右側は火力が強くなってるから気をつけないと。時々場所変えて」
「ちょっと待ってって!!」
「ピーマン黒くなってる」
「わぁー!!」
「ほら、ひっくり返して」
「んーもう!! 無理ー!!」
潤とAが丁寧に食材を串に刺してくれたから、これなら簡単に焼けるって思ったのに。
7人分の量を一気に焼くのは、俺には無理だった。
結局いつものごとく、翔にぃが焼き師になって俺は食べる専門。
雅「ごめーん。片付けは俺がやるから」
翔「いいって。俺はいつも焼いてて慣れてるからさ。
ほら、肉焼けたからそっち持って行って」
牛肉と野菜の串焼きをお皿にのせて、タープの下に置いてあるテーブルのところに持っていく。
夕方でもまだまだ暑いからね。
特にゆいちゃんは暑さに弱いから、しっかり日陰を作って日差しを遮ってあげないと。
智「本当に手伝わなくていいの? 後で代わるからね」
雅「いんだよ、皆は座って食べてて?
翔にぃも楽しそうにやってるから」
俺と翔にぃだけ動いてるから、申し訳ないって。
翔にぃは座ってるほうがストレスだよって言ったら、それもそうだねって皆で納得した。
結「ねー、しょーちゃんとこいきたい」
お肉を頬張りながら、ゆいちゃんが興味津々で翔にぃの方を見つめてる。
外でお肉焼いてるところなんて、なかなか見れないもんね。
自分でお肉焼いてみるのも、いい経験になるかも。
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作者名：ちさ
| 作成日時：2014年6月28日 23時
