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(ゾムside)
先日、1人の女からいつものように金を巻き上げよう近づいたのだが…
『悪いけど今の私は食べ物をひとつも持ってないわよ』
あっさり気づかれてしまった
最初は嘘だろ…って思った
気配も消して足音も消してバレないように近づいた…だってそれが俺のたった一つの取り柄だから
あの女だって呑気にベンチに寄りかかって空を見ていたのにこちらに話しかけたんだ。
あの女ただ者では無いのでは?と予想した
そんな予想は見事に当たってしまい、信じられない出来事が起きた
先程まで繁華街にいたはずなのに気づけば俺の暮らすスラム街にいたんだ。
何が起きたかわかんない…でも女はニッコリと笑って右手に金を握らせて姿を消した
そういえばあの女、俺に名前を聞いてきたな
簡単に教えてしまったけど今思えば別にどうでもいい
ゾ「(スラムで生まれ育った俺にとっては名前教えたところで何が起きてもそれが当たり前と認識してしまうな…。)」
何度と命を落としそうになったけどそれはこの街では当たり前
川の水を飲めば病で死ぬ
作物が上手く育たないこの大地で生きようとすれば飢餓で死ぬ
それが当たり前
だから俺はよく繁華街に行って金や食べ物を盗んだ
俺には魔法の才能があるらしい…でもそれも全て生きるために利用させてもらった。
あの女も…俺を利用しようとする目だった
白銀の長髪をなびかせて黒く潤んだ目は絶対に忘れない…
「ゾム兄ちゃん!今日はご飯貰える日だよ!」
ゾ「ん…お前らだけで行ってこい」
そういえば今日はボランティアとかいう偽善集団が飯を配りに来る日だったな…
俺はあんな偽善者どもから飯は貰わねぇ、見ているとむしゃくしゃしてくる
家にいてもつまんないな…散歩をしよう
むしゃくしゃするからって家の壁を壊せばこの冬の寒い風が更に入ってくるからいつも俺は外でストレスを発散させる
屋根を伝って街を見下ろすのが日課
こうしていると全てを見下している感覚がして気分が良い
でもそれもすぐに気分が悪くなる
ゾ「あの髪の毛…まさか」
また会うなんて思わなかった
今度こそあいつから何か奪ってやろうか
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ギオ - あのー、、はい、神ですか???好きです。はい。プリ○ュアとはなんぞやと見初めましたが読ませていただくと、あっ、、ふーん?神じゃん。という気持ちに刈られました。どうしてくれるんですか←。キャラ達のストーリーとか神ですか??? (2022年11月6日 22時) (レス) @page50 id: 6022af29ca (このIDを非表示/違反報告)
鈴@suzu(プロフ) - 今日読み始めたんですがどっぷりハマりました!!応援してます、更新頑張って下さい!!! (2021年5月3日 20時) (レス) id: 88b4bdfcb5 (このIDを非表示/違反報告)
アズライト@pitter(プロフ) - えっ神じゃん(便乗) 更新待ってます! (2021年4月21日 21時) (レス) id: 89c438f032 (このIDを非表示/違反報告)
momo - えっ神じゃん (2021年2月6日 21時) (レス) id: 23dfee1259 (このIDを非表示/違反報告)
momo - 神じゃん (2021年2月6日 21時) (レス) id: 23dfee1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年1月15日 16時