その144 ページ49
朱「嫌な夢を見たの…
ゆーちゃんに出会ってから私の見る世界は彩り豊かなだった…なのにあなたがいなくなってからはまたゆーちゃんに出会う前の白黒の世界に逆戻りした。
そしてそのまま時が過ぎて、今の姿のゆーちゃんが現れた…なのにその世界に彩りは戻って来なかった
私が夢から覚める前に見たものはゆーちゃんが宛もなくさまよっている様子だったの…
なんでこんな夢を見ちゃったんだろう
そうやって考えているうちに嫌なことまで考えちゃったの
もしかして私が見た夢は実際に起こるんじゃないかな……って」
一通り話し終えたあーちゃんはまた涙を浮かべていた。
私の着る忍装束の裾を握り悲しみを少しでも軽減させようとする…しかしそれも意味がなかった。
朱「また…ゆーちゃんを失ってしまうんじゃないかって思って怖くなったの…っ!」
なるほど…つまりトラウマを呼び起こして泣いてしまったのか。
私はただ彼女に大丈夫だと言って頭を撫でることしか出来なかった。
「あーちゃん…私はどうすれば良い?
どうすればあーちゃんを悲しまないかな…?」
「……いつものゆーちゃんでいて欲しい
過去と今を別に考えてただ友達として笑顔を絶やさないゆーちゃんでいて欲しい」
そっか…つまり私はいつものようにしていればいいんだ
だけどそれであなたが苦しむのだけは勘弁してよね
そして私は誓ったんだ
なにがあろうと親友である彼女を絶対に手放さない
私の腕がもげようと視界を奪われようと、無理やり離されても必ず見つけ出すから。
もし神様が存在するのならお願いします
もう二度と彼女と離れるなんて悲しい思いはしたくない
だから私にどんなことがあろうと、彼女の元にいられますように
そんな私の心からの願いは口に出すことなく目を閉じ、静かに彼女に言ったんだ。
『あーちゃん、そばにいて』
朱「……当然でしょ?
だからゆーちゃんもそばにいて」
互いの願いを聞き入れた私達は目を合わせて笑っていた。
一瞬の幸せを噛み締めるように
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抹茶って美味しよね(プロフ) - 初めから最後まで見ました!少しハラハラする所もあってとても面白かったです!最新頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: d34543fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2020年8月19日 8時