その143 ページ48
朱「ぐす…お恥ずかしい所を見せてしまい申し訳ありません」
まだ鼻声の状態で頭を下げてるあーちゃん…君はなにも悪くないぞ
これには五年生も慌てて全然そんなことないとか言っている
それにしても何故あーちゃんは泣いていたのか…私みたいに嫌な夢でも見てしまったのか?
ここは2人きりになって聞いてみるか
『では僕はこの辺で失礼します
朱里さん、部屋まで送ります』
突然の敬語に驚き、戸惑いを隠せないでいる彼女の手を優しくとり私は保健室に残された五年生と伊作くんに手を振った。
さてと…部屋まで来てしまえば誰も来ないだろう
『さてと…じゃあお話しましょうか!』
朱「えっ…うん」
私の部屋の真ん中で向き合いながら正座をすると
彼女は私から目を逸らしているだけでなく、気まずいと顔に書いてある…わかりやすいな
『まあ…難しいことは聞かないよ
これだけを聞くだけだよ…
見たんでしょ?悪い夢』
するとあからさまに身体を硬直させて震えているあーちゃん
そしてうっすらと涙を浮かべて小さく頷いた、だから私は彼女を優しく抱き寄せて先程のように頭を撫でた。
実際私も嫌な夢を見てしまったから少しだけ気持ちが分かる
『私もさっき嫌な夢を見たよ
忍術学園の皆が笑ってる夢…だけどその中にあーちゃんがいないと知った瞬間、皆いなくなって私一人になってしまったんだ。
目が覚めた時には皆がいて…すごく安心した』
朱「ゆーちゃん…」
私は思うんだよね
こうやって触れることの出来る仲間がいるから私は安心できたんだ
だから今度は私が誰かを安心させる番だ
朱「ゆーちゃんのおかげで話す勇気が出たよ…
私も嫌な夢を見たの」
そうして彼女は重たい口を開いたのだ。
73人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
抹茶って美味しよね(プロフ) - 初めから最後まで見ました!少しハラハラする所もあってとても面白かったです!最新頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: d34543fc69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:またたびはまた | 作成日時:2020年8月19日 8時