その122 ページ26
ドタドタと騒がしい足音を鳴らして目的地である彼らの部屋の戸を開けるとそこには2人がいた
布団の上でゴロゴロと寝返りを打つ小平太くんと
それを気にすることなく勉強する長次くん
私は息を乱しながら2人に告げたんだ
朱「あの…!
Aさんを見ませんでしたか!?」
私の様子を見た彼らはただ事ではないと察したのだ。
さて…ゆーちゃんはどこにいるのだろうか?
今夜は新月
あたりは真っ暗でどこに何があるのかすら分からない
私は六年生の皆さんに部屋で待機していろと言われたけどそんなこと出来るわけがない
あの時、文次郎くんと部屋の前で会った時聞いたんだ。
文次郎くんがお風呂に入ろうとしていた時たまたまゆーちゃんは風呂上がりでそのまま自室に戻ろうとしてた…。
ということは今のゆーちゃんは武器をひとつも持っていない
つまりピンチだ
朱「ここなら誰もいない…
ならこの力を使おう…!」
目を閉じ集中すると私は目を開いた
この力は強大すぎるが、それは時に便利とも言える代物だ。
先程まで真っ暗だったはずの視界はまるで夕暮れ時のような明るさだ。
暗視スコープを使った時とは違った明るさ…こちらの方が周りが見やすい
周りをキョロキョロとしながら私は次のステップへと進んだ。
朱「(お願い…私の親友がどこにいるか教えて!)」
両手を合わせて祈りを込めるとその手の中からなにかが出てきた気がする
そっと手を開いて見ればびっくり
手のひらから糸状の光が出てきてそれがある方へ向かっていった。
あの先にゆーちゃんがいるのだと確信した
朱「ゆーちゃん…私にはなにも出来ないかもしれない
だけどあなたにこれを届けることはできるから…!」
ぎゅっとあの子の愛刀を握る力を強めて決意表明をすると私は光る糸を辿って行った。
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抹茶って美味しよね(プロフ) - 初めから最後まで見ました!少しハラハラする所もあってとても面白かったです!最新頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: d34543fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2020年8月19日 8時