その121 ページ25
(朱里side)
ゆーちゃんがいない…そう理解した瞬間私の頭の中に浮かんだのはあの子がいなくなってしまうビジョンだ。
また私の親友を奪おうとする人がいるの?
そんなの絶対許さない
いつもいつも私からゆーちゃんを奪い取ろうとするやつがいるなんて…もう嫌だよ
いや、そんな弱音を吐いている時間なんてない
私に出来ることがあるのならそれ以外に選択肢はない
この世界に来てから目覚めたこの力
ゆーちゃんのために使ってやる!
文「……ん……さん………朱里さん!」
突然名前を呼ばれてハッとすると私は前を見た
そこには風呂上がりで髪を下ろした潮江文次郎くんがいた
どうやら二手に別れて人を呼んで彼を探す作戦らしい
彼は仙蔵くんを、私は部屋にいるはずの小平太くんと長次くんを呼んでくるのだ。
私は不思議な力を持っている
物を浮かばせたり動かしたりする力がある
遠くのものを見ること、壁の向こう側を見ることが出来る
目と目を合わせるだけで人の心の声がわかってしまう
人の心や体を操ったりするのだってお手の物
私は…化け物のような力が使える
そのことをゆーちゃん…Aさんには言った
そしたらあの子は私の頭を撫でて抱きしめて言ったんだ。
『無理に使わなくてもいい、好きな時に使ってもいい
だけど、自分が傷つくような結末だけは選ばないで欲しい』
その言葉がなかったら今頃私はこの力を己の欲のためだけに使っていたと思う
私は決めた
基本的にはこの力を隠そう
そしてあの子がピンチになったらこの力を使おう
あの子が笑ってくれるような使い方をしよう
そして今の私に出来ることはなんだ?
いや、今の私ならわかりきってるでは無いか
朱「小平太くんと長次くんを呼ぶこと…!」
私の使う部屋の隣…あの子の部屋にあったあの子の愛刀を握りしめて彼らの部屋に向かうのだ。
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抹茶って美味しよね(プロフ) - 初めから最後まで見ました!少しハラハラする所もあってとても面白かったです!最新頑張ってください!! (2020年8月23日 17時) (レス) id: d34543fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2020年8月19日 8時