〈忍たま〉元人間の化け物4

百八十六話 ページ38

3人を担いで後ろにさがり尻もちをついたまでは良いが、恐怖のあまりそこから動けなくなっていた。


乱｢A先生！どうしてそんなお姿に…！

まだ夜になってないです。｣

｢ぴーぴーうるせぇガキだ…まあ特別に教えてやるよ。

俺はコイツを何時でも満月の光を浴びた時と同じ状況を再現することが出来る。それを試せばあら不思議！

こんな醜い化け物が生まれたってわけ！｣


ゲラゲラと腹を抱えて笑う奴の心情を理解出来ずにいる中、また彼らの横を黒く小さな影が飛んで行った。

それが手裏剣であることに気づいた時にはもう既に奴が剣で真っ二つにしていた。


｢全くさぁ…つまらない事が続くとさすがにイライラしてくるよ？

誰？俺に対抗しようとか考えてるバカは｣


ゆっくりと空を仰ぎため息を吐く奴は目だけを4人に向けていた。

まさかと思い振り向くと、そこにはここに居るはずの無い人物がいた。








土｢諸泉…尊奈門くん……。｣

尊｢こんなところで尻もち着いてる場合では無いだろ。｣


4人のそばに歩み寄り全員を立たせると1人だけ前に出た諸泉尊奈門。


尊｢本当に先生の言った通りだった…満月の日に必ず来るから手助けしに来て欲しいも言われて来たものの、かなりの強敵であること以外に言葉が思い浮かばない。｣


チャキ…と忍刀に触れて警戒をする彼の瞳には2人の姿が写っていた。


尊｢まずは先生を正気に戻す。だがあの男が邪魔をしているから私と土井半助で奴の動きを止める。

あとの3人は先生を正気に戻せ。｣


作戦にしてはめちゃくちゃな内容だが、動き出す前に放った言葉により少年達に勇気が沸いた。


尊｢先生は私達の願いを必ず叶える人だ

きっと君達の言葉なら届くはずだ｣


グッと足に力を入れて奴との距離を縮めると下から刀を振り上げた。


｢このスピード…お前リューコの影響を受けた人間だな？

再生能力を分けてもらった副作用によるものか…面白い人間を見つけた。｣


攻撃を避けて分析をしたかと思えばニヤリと笑って剣を振るう。

互いに攻撃を避けカウンターをくらわせようとするがなかなか決まらない。

だが奴の方が強かった


尊｢グッ…！｣


剣を振り当てた場所は胸あたりを捉えて一筋の大きな切り傷が出来た。


土｢尊奈門くん！｣


何も出来なかった、指一本も動かすことが出来なかった無力の自分

ただ生徒の前で立ちつくしているだけだった。









2021年最後の投稿です！明日からもよろしく！

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