百七十七話 ページ29
乱太郎は優しく笑いながら話し出した。
乱｢今日私を助けてくれたお姉さんにはリューコさんという娘さんがいるらしくて、リューコさんのことを話している時もずっと楽しそうに笑っていました。｣
私は動揺した。
乱太郎の言葉が本当ならば…彼はお母さんに会ったのか？
いや、わからないぞ。
確かに私はお母さんからリューコという愛称を貰った…でももしかしたら乱太郎の会った人は私の知ってるお母さんじゃないかもしれないし、リューコという娘も同姓同名の別人かもしれない。
『…乱太郎、その人はリューコさんをなんて言ってた？』
乱｢えっと…この世の誰よりもリューコさんを愛しているそうです。｣
優しい顔だ
まるでお母さんとすごした日々を思い出させるかのような眩しくて優しい笑顔は私の目を丸くさせるには十分なものだった。
茜色の髪の毛、リューコという娘、まるで私に言っているかのような愛しているという言葉
私は目の前のりんごを1切れ持って口に運ぶと、咀嚼する度に私を呼ぶお母さんの声を思い出すんだ。
＿＿リューコ！
いつの間にか熱くなった目頭から溢れ出る物は頬を伝って布団に落ちていき、止めどなく流れるから乱暴に拭った。
『うぅ…ヒック……お母さん…』
そうだったんだ…私はお母さんを愛していたからこんなにもお母さんの死を重く受け止めて閉まったんだ。
乱｢あの…その人も言ってました。幸せを願えば自分を好きになるって…私、難しい話をされていると思ったんですけどその後に1度空っぽにした方がいいと仰っていたんです。
その位雑な生き方が丁度良い…って｣
なんということだ
お母さんの口癖がまさかこんな所で聞けるなんて
やはり乱太郎を助けたのはお母さんだったんだ
もう二度と会えない存在を思い出すことはとても辛いことだ、でも大切な人を忘れることはもっと辛いことなんだ。
だからこそ私はりんごを頬張ってよく噛んで飲み込んだ。
流れる涙は布団に落ちて染み込んではまた涙が落ちて染みていく。
乱｢先生…｣
『…ごめん、もう泣かないから。』
もう立ち止まらない
グッと手を握り目を閉じると段々と身体が軽くなってきた。
今度こそ失敗しない
何がなんでもアイツからトネリコを取り返してアイツの魂を噛み砕いてやる。
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またたびはまた(プロフ) - Nekoさん» コメントありがとうございます。これ実は自分で彼の部分を名前変更で変えることが出来て自分で好きな結果に出来るようになっています。変なオチでごめんなさい！ (2022年12月11日 8時) (
レス) id: 0846684c6a (このIDを非表示/違反報告)
Neko(プロフ) - オチは誰ですか？ (2022年12月10日 23時) (レス) @page47 id: dd386e9727 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく面白くて、すごく切なくて、本当に心を動かされる作品です。続きが早く読みたくて読みたくて😖更新、楽しみにしています！ (2021年12月31日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - あ（察し）ヤバイやっちゃ。これこの後どうするんでしょう？待って続きがめちゃくちゃ気になります！！どうやって来たよ（糞）ドクター兼（元）勇者様よぉ（#^ω^） …これで間違ってたら恥ずかしさのあまり燃えつきますね。 (2021年12月2日 10時) (レス) @page16 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - お"があ"ざん"…。ええ話や。( ；∀；) …続き (2021年11月30日 10時) (レス) @page15 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたびはまた | 作成日時：2021年10月24日 23時
