百六十五話 ページ17
背筋が凍る感覚がする
本能が私に逃げろと警報をかけてくる
でもそれ以上に感じる怒りの感情を放っておけないのだ。
『お前がその名前を口にするな……この人間のクズめが！』
｢おいおい俺の名前はクズじゃあないぜ
かつて親だった者に名前を貰ったけどとっくの昔に捨てた。
前みたいに俺の事をドクターって呼んでくれよ｣
ふざけるな
お前をドクターと呼ぶ筋合いもなければお前が私をリューコと呼ぶ資格もない。
『…死んだはずのお前がどうやってこの世界に来たんだ。』
｢元勇者の俺に出来ない事はないのさ。
例えば…
時空を超える狼の力を利用するとかな｣
『…！』
ふざけるな…その一言が言えない
その力は誰のものだと思っているんだ。
『返して…それはお母さんの相棒の力だ！』
グッ…と足に力を入れて奴との距離をつめるとその首目掛けて爪を立てたが失敗した。
素早い身のこなしなら相手の方が私以上である
何度も奴の行動を先読みしようとしてもその度に阻止されて逆にこちらがダメージを受ける。
これ以上の戦闘は続けられない
秀作だけでも逃がしたいのにその隙がない
『……何を弱気になっているんだよ』
後ろから聞こえる子供のはしゃぎ声で目が覚めた感覚になる。
なんでここで無理だなんだと考えているんだ私
奴と距離をとって腰の刀に触れた
『秀作、訳は聞かずにこの場から逃げろ。
そして生徒がここに来ないようにしてくれ』
秀｢えっ…Aちゃん？｣
つべこべ言わせる隙は与えずに秀作の腕を掴んで無理やり立たせると、まっすぐ目を見て頼んだぞと言った。
私の覚悟が伝わったのか秀作らしくない真剣な顔で頷いてその場を離れて行った。
｢ありがとうなリューコ…邪魔な奴がいたから殺そうかどうか迷ってたんだよな。｣
『口を閉じろ。それとも縫われたいか？』
邪魔者だなんて言うが、それはお前以外にいないだろうが。
妖しく光る刀身を奴に向けて言い放ってやった。
『お母さんの相棒を置いてこの世界から出ていけ。
応じないのなら強行手段を取るぞ』
この世界をめちゃくちゃにはさせない
この優しいものが溢れるこの場所を好き勝手にされてたまるか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
またたびはまた(プロフ) - Nekoさん» コメントありがとうございます。これ実は自分で彼の部分を名前変更で変えることが出来て自分で好きな結果に出来るようになっています。変なオチでごめんなさい！ (2022年12月11日 8時) (
レス) id: 0846684c6a (このIDを非表示/違反報告)
Neko(プロフ) - オチは誰ですか？ (2022年12月10日 23時) (レス) @page47 id: dd386e9727 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく面白くて、すごく切なくて、本当に心を動かされる作品です。続きが早く読みたくて読みたくて😖更新、楽しみにしています！ (2021年12月31日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - あ（察し）ヤバイやっちゃ。これこの後どうするんでしょう？待って続きがめちゃくちゃ気になります！！どうやって来たよ（糞）ドクター兼（元）勇者様よぉ（#^ω^） …これで間違ってたら恥ずかしさのあまり燃えつきますね。 (2021年12月2日 10時) (レス) @page16 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - お"があ"ざん"…。ええ話や。( ；∀；) …続き (2021年11月30日 10時) (レス) @page15 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：またたびはまた | 作成日時：2021年10月24日 23時
