百六十話 ページ12
私は不死龍の器なら母は最強の狼の器だった。
孤児で沢山の苦労をして独り立ちをしたかと思えば会社の上司に裏切られてクビになり、そこをあのイカれた科学者に拾われたそう。
そこから私と同じように心臓に最強の狼ことフェンリルの魔石を埋め込まれて化け物に変貌したそうだ。
数多の実験を繰り返す内に自分を見失うこともあったが、ある日私がやって来た時が好機となったそうで私に感謝したかったらしい。
隙が生まれて逃げる準備をしていたそう
『お母さんは強い人だ…どんなに苦労しても、不幸が舞い降りようとも決して折れることは無かった。
幸運を自分で勝ち取るためにタイミングを伺う人。
私と一緒に逃げてからの生活をとても楽しんでた。私を大好きだと言ってくれた。
化け物である私を認めてくれた、魔石に残った魂の存在も認めてくれた。
そして何よりも…私を人間としても認めてくれた。』
私はお母さんに救われた。でもお母さんにとって私の存在は放っておけない娘のようだったらしい。
結婚して子供を産むどころか彼氏すらいなかったのにおかしな話だ。
『とても幸せな時間…でも幸せは続かないのはわかりますよね？
この世界に来るちょっと前のことでした。
アイツが…私達の居場所を特定して連れ戻しに来たのは。
お母さんだけは抵抗して私を逃がそうと己の身に宿った力を使ったんです。』
でもダメだった
お母さんの力を使っても、元勇者のアイツには手も足も出ない
それどころか元々勇者と主従契約を結んでいた私達にとって、アイツには逆らってはいけないという魂の盟約に縛られて動きを封じられてしまったんだ。
でもそれはお母さんだけの話
私の中にいたダフネは魂の盟約ではなく血の盟約を交わしていた。
肉体を失って魂だけになったダフネには関係の無い問題だったのだ。
『私だけが逃げた…目の前でお母さんが殺されても何もしなかった私は結局アイツと同じだ…。
血の繋がった本当の両親をこの手で殺めて、お母さんを見殺しにして…！
私は…私は…っ！』
悔しさで顔を歪めて目から溢れるそれを止める理由などなかった。
ただ悔しかったんだ
どうして私は動けなかったのだろうか…いや、動かなかったのだろう。
結局一番の悪者であり罪人なのは私だったんだ
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またたびはまた(プロフ) - Nekoさん» コメントありがとうございます。これ実は自分で彼の部分を名前変更で変えることが出来て自分で好きな結果に出来るようになっています。変なオチでごめんなさい！ (2022年12月11日 8時) (
レス) id: 0846684c6a (このIDを非表示/違反報告)
Neko(プロフ) - オチは誰ですか？ (2022年12月10日 23時) (レス) @page47 id: dd386e9727 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - すごく面白くて、すごく切なくて、本当に心を動かされる作品です。続きが早く読みたくて読みたくて😖更新、楽しみにしています！ (2021年12月31日 15時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - あ（察し）ヤバイやっちゃ。これこの後どうするんでしょう？待って続きがめちゃくちゃ気になります！！どうやって来たよ（糞）ドクター兼（元）勇者様よぉ（#^ω^） …これで間違ってたら恥ずかしさのあまり燃えつきますね。 (2021年12月2日 10時) (レス) @page16 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - お"があ"ざん"…。ええ話や。( ；∀；) …続き (2021年11月30日 10時) (レス) @page15 id: ab4164b541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：またたびはまた | 作成日時：2021年10月24日 23時
