【d!】全ては我が主のために (ページ36)

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その34 ページ36

まさかの人物だった

あっという間に奴らに制裁を加えたコネシマ様は、私に怪我はないか聞いてきた

なんというか…優しいな

私がここに来たばかりの時は睨むようにこちらを見てきて、寄ってくんなオーラが凄かったのに

今はそんなオーラ微塵も感じない

『…なぜ私を守るようなことを？』

コ｢あー…聞こえとった

アルヒの心からの叫びをな｣

心からの叫び…もしかして怒りの声で言ったあれだろうか？

だとしたら複雑な気持ちである

だけど、なんか嬉しいな

何となくコネシマ様に許されたような気がしたから

『ふふっ…ありがとうございます』

コ｢おう……というかなんであんさんはこんな所に？｣

おっと…そんなところに気づいてもらいたくなかったよ

『まぁ…尾行をしていました

そこでのびてる奴らが怪しかったのでバレないように追いかけたのですが…

凄いですね、意外とバレませんでした』

本当に奴らは敵国のスパイなのだろうか？

そう疑ってしまうほどに気配を察知するのが下手だと思う

コ｢なるほどな…まあアルヒははよう帰って寝な

俺はこいつらの後始末をするから｣

にっこりと笑って私の頭を撫でるコネシマ様

少しだけムズムズするな、主様から頭を撫でられることがなかったからかな？

『…！

危ない！』

どうして私はこういう時になると自分のことを後回しにできるんだろう

ぐっとコネシマ様の腕を引っ張って私の後ろにやると私は両手で目の前から来る攻撃を防いだ

明らかに腕からなるような音ではない

剣を受け止めた腕から聞こえるのは肉が切れるような生々しい音なんかではなく金属がぶつかるような音

ゾム様に貰っておいて正解だったな

『御安心を！

護身用の仕込みナイフなので怪我はありません！

私が制裁を加えてやりますから…』

きっと今の私は誰にも見せられないような悪魔の笑みを浮かべているんだろうな

あぁ主様、私は悪い子です