【d!】全ては我が主のために (ページ20)

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その18 ページ20

(Noside)

グ｢(……遅いな)｣

彼の名前はグルッペン･フューラー

こんな田舎の村で浮くような軍服を着ている彼は正真正銘軍人だ

そんな彼は数日前からとある人物に目をつけていた

それはアルヒ･レイニーという一人の少女だった

見事な刺繍の腕を持ち、黒髪と黒目の儚げな彼女の心はとても強かった

彼がわざと威圧的に話しかけても決して屈することはなくむしろ堂々としていた。

そんな彼女をもっと知りたいと思った彼は仲間に調べてもらいたいとお願いした

そして出てきたのは彼女の詳しい情報

村から東にあるどの国も所有していない名無しの森で一人小さな家に住んでいる

料理の腕もまた素晴らしいらしい

それを知った彼は彼女のポケットからお菓子を盗って食べてみた

確かに美味しかったから後悔はしていない

そしてとうとう彼は彼女に自分が暮らす帝国に一緒に行かないかと提案をしたのだ。

旅をすると言っている彼女からすれば都合がいいはず

予想通り彼女は彼の提案に乗った

既に旅の準備はしていたらしく、明日出発すると彼が言っても彼女は首を縦に振ってまた会おうと言っていたのだ。

しかし、約束の日になろうと彼女が来ることはなかった

何かがおかしい…それを感じざるをえなかった

シ｢グルさん…本当に彼女来るんすかね？｣

グ｢約束はしたんだ…ここに向かう途中になにかあったか？｣

ただ胸がザワつくだけである

考えるだけではダメだ

彼は仲間のショッピに彼女の家まで案内してもらうことにした。

小さな村を出て道なりに進むと途中であるものを見つける

シ｢…その刺繍ってアルヒさんのですよね？｣

さらに嫌な予感がした

グ｢今すぐ彼女を探すぞ…！

きっと彼女を連れ去ったヤツらが我々のターゲットだ！｣