【d!】全ては我が主のために (ページ15)

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その13 ページ15

村に到着してから私はまっすぐ村長のいる家まで向かった

〈村長こんにちは！〉

長〈おや…今日も来たんだねアルヒ〉

にっこりと笑って村長は出店を用意してくれるんだ

私も手伝って簡易的な販売所を作れば皆が集まってくる

〈今日はうちで栽培しているきのみでジャムを作ってみました！〉

そう言えば皆喜んでくれる

ちゃんとお金を払って買ってくれる

だからいい人達なんだ

グ〈おや…今日はジャムも売っているのかい？〉

〈いらっしゃいませ、グルッペンさん〉

今日はあなたのお求めの商品を用意してきましたよ

ニコニコと笑って紙袋に入った物を取り出しそれを彼に渡す

そう、あの時彼から受けとった紙袋の中身を変えて返したのだ。

〈ご安心を、あなたの注文したものは入っているので〉

そうか…と呟きながら紙袋の中身を覗くと彼は目を丸くしていた

グ〈これは…刺繍なのか？〉

彼がそう言うのも無理はない

確かに私はハンカチに刺繍を入れた…がしかしただの刺繍では無い

立体刺繍をハンカチに施したのだ

もはや濡れた手を拭くためハンカチとしてはどうかとは思うが、オシャレとして持つにはいいかもしれない

牡丹の花を立体にして葉と散る花びらは平坦にしてより立体感のあるものにした。

グ〈すごいな…君の腕には驚かされるよ〉

そう言って貰えて嬉しいよ

私はありがとうございますと言ってお辞儀をすると彼は懐からお金を渡してきた。

おい、あんだけ私に渡しといてもっと渡してくるのか…はっきり言っていらん

〈…私は既に十分な料金は頂いておりますのでそのお金はいりません〉

グ〈いや、あの程度では足りないはずだ〉

なんだよ…だったらここら辺のものを買っていけよ

そう口にはしなかったけど彼はいいことを考えたみたいな顔をして商品をじっとみていた。

グ〈ではここの商品を全部買おう〉

それは迷惑行為なのでやめてください