【d!】全ては我が主のために (ページ14)

今日:9 hit、昨日:22 hit、合計:121,287 hit

その12 ページ14

ハンカチの特注を受けた次の日はハンカチの販売をお休みして私はあることに頭を悩ませていた

『むぅ…ただ刺繍するだけではあの軍人さんは驚かないだろうなぁ』

私は今、特注のハンカチについて試行錯誤をしているのだ

決められたデザインをそのままハンカチにやるのはつまらない

デザインは見事なんだけどなぁ…

牡丹の花言葉は王者の風格、あの人は誰か王者にふさわしい人にささやかなプレゼントでもするのだろうか？

『刺繍でどこまで表現できるかよね…』

まずは受け取った材料ではなく普段の布と糸で練習をする

平坦なハンカチの上でこうやって牡丹を表現するのもまた綺麗だけど、これではいつもの刺繍ハンカチだ。

そんな時、私の頭の中にはあるものが浮かび上がった

『あっそうか…こうすればいいのか…！』

ふふふ…いいこと思いついたよ

私は早速うずうずとしているその手を動かした

まるで勢いよくキャンバスに筆を走らせるかのように

朝が来た

あまりにも楽しくて夢中になって寝ることを忘れてしまったよ

『ふわぁ…カゴのみを食べて眠気を覚ましてハンカチを渡しに行きますかね』

椅子から立ち上がり、凝り固まった体をボキボキと鳴らす

すごいな…身体中石みたいだ

ストレッチを入念にして家から出るときのみ畑からカゴのみとオレンのみをいくつか獲る

それをサラダと混ぜて食べるんだ…これが美味いんだわ

『うっし…いざ西の村へ！』

準備を済ませて戸締りをすると目を閉じ集中する

腕は翼に、足は鳥の足に

今日はムックルに変身だ

パタパタと小さな翼を広げて羽ばたけば小さな豆みたいな村の建物が少しずつ大きくなっていく

待っててね軍人さん