捌の目 ページ8
今日はお師匠は不在だ
遠方まで出張だからそれまでにお師匠が課したものをこなさないといけない。
と言っても腹筋とか腕立て伏せとか走り込みとか簡単なもので子供でもできるもの
……と、思っていたのだがその数が可愛くない
えぐい回数のトレーニングを課題として出てきたお師匠を恨みながらも必死に走り込みをしてる。
この世に苦しくならない呼吸があるのなら今すぐにでも会得したい。
そう思いながら必死に息を吸っては吐いてを繰り返して足を上げた。
何度も同じことを繰り返していくしか今は出来ることがないのだ。
ひたすらに鍛えて鍛えて鍛えて…
目が覚めた時にはいつの間にか屋敷の廊下で横になってた。
ハッとして体を起こすと身体中に激痛が走って悶絶した。
『俺…なんで屋敷で寝てるんだ?』
「そりゃあ屋敷の前で力尽きるかのように倒れてたから。」
頭上から突然聞こえた声に驚いて「どひゃあっ!?」とか情けない声を上げてしまったが、その正体がお師匠である事に気づいた瞬間表情が真顔に戻った。
お師匠もまさか俺がこんな声を上げるとは思わなかったみたいでゲラゲラ笑ってるし…悔しい
「はぁ…こんなに笑ったのは久しぶりだ。
にしても、あの課題をこんな短期間でこなすなんて予想してなかった。
あれは修行を初めて一年後とかにやるような内容だからな。」
それを知ってた上で課題を与えたのなら余程性格が悪いとみたぞ
じっとお師匠を睨みつけると悪かったと言って俺を抱き上げた。
10歳とはいえこの時代は抱っこされる年齢でもないだろうが。
しかし気にする素振りもなくお師匠は整った顔をで額どうしを当てて優しく笑った。
「私が今までであったどの子供よりも伸びしろがあり、そして私が探し求めていた最高の適性者がお前だった…
お前は私の呼吸を受け継ぐに値する」
なんというか大きな展開になった
翌日から俺に稽古をつけると約束してくれたお師匠は俺を布団に連れて行って寝かせてくれた。
やっぱりよくわかんないや、俺のお師匠は残念でめちゃくちゃでよくわかんない…そんな人だ。
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雪見だいふく - これから読み始める者です。私は成り代わり系はあまり読まないタイプですが、夢小説を探していた時タイトルからして面白そうだと思い誰の成り代わりだ〜?と思って開いた瞬間サイコロステーキ先輩の顔面が出てきてこれは面白いと確信しました。更新頑張ってください (2022年12月14日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
猫猫 - あの〜すみません…お館様の妻の名前ってあまね様だと思うのですが……とっても面白いです!!!!!これからも頑張ってください!!!!!! (2022年7月26日 7時) (レス) @page16 id: f29fbd18bf (このIDを非表示/違反報告)
猫さくらもち - サイコロステーキ先輩の小説だと、、、!?!?え?作者さんの着眼点が素晴らしすぎる!! (2022年7月17日 7時) (レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
宮 村 。(プロフ) - 初コメ失礼致します!すごく好みすぎる作品です…続編楽しみにしております!! (2022年7月12日 15時) (レス) @page50 id: e0cd2bb1c0 (このIDを非表示/違反報告)
本が大好きなハリネズミ(プロフ) - サイコロステーキ先輩の成り代わりの小説があるなんて…!とても面白いです、これからも頑張ってください! (2022年6月18日 23時) (レス) id: 73a477d291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2022年5月24日 13時