死亡確定キャラに成り代わったら誰だって凹む

肆拾捌の目 ページ48

俺は音も無く静かに息を吐いて顔を上げた。


『お言葉ですが、私は自分を許せないまま柱には就任する事は出来ません。』


いくらなんでも都合が良すぎるのだ

俺のせいで戦うことが出来なくなってしまった者もいるし


｢A…君は自己犠牲と過小評価の精神が強い

君の長所でもあり短所であることは理解しているね？｣


わかってはいるけど…柱を前にしているのにいつもの御館様でちょっと怖いんだよな。

俺はキュッと口を結んで黙秘を貫いていると御館様はにっこりと笑った。


｢AAには藤柱の称号を与え、今後の鬼殺隊を皆と引っ張ってほしい。

いいね、A｣

『…御意』


とうとう逃げ場が無くなった

言われたからにはやるしかない…とはいえよりによって藤柱か

本当にお師匠がいなくなってしまったと思わされる。


『このAA、先代藤柱 藤宮凛の遺志を継ぎ藤柱として責務を全うします。』

｢でも自己犠牲はやめてね。｣


吐血するぞ

にしても、お師匠はこんな結果になることを望んでいたのだろうか？

着々と原作スタートの準備を進めているこの世界は一体どうなってしまうか見ものである



…なんて言ってるけど俺は生きる！最大の敵なんかに負けてたまるか！



｢そうだ…柱になったAにお願いがあるんだ｣


おっと…早速かよ

他の柱を差し置いて俺を名指しとはよっぽどのことであると理解した。


『私は貴方様の指示に従うだけです』

｢ありがとう｣





それは新しい俺に来た最初の任務だった

肆拾玖の目→←肆拾漆の目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す