死亡確定キャラに成り代わったら誰だって凹む

伍の目 ページ5

母には置き手紙だけを置いてゆき、父の死は隠すことにした。

父から手伝って欲しい仕事があると言われたのでしばらく帰らないと嘘をついて骨壷と羽織を持ち、藤宮と名乗る人物について行くことになった。

そう言えば集落を出る前に藤宮さんは俺を弟子と言ったり鬼殺隊の候補者と言ってくれた。

俺を鬼殺隊に入隊させたいのだろうか。


『あの…差し支えなければ鬼殺隊についてお教えください。

正直、何もわからぬまま着いてきてしまったので』

｢そう言えばそうだったな。

ならば教えよう、私の弟子のために｣


何となくこの人は弟子という言葉を気に入っているのだな。

だから俺も藤宮さんをお師匠と呼ぶことにした。

そしてこの世界は俺が思っていた通り鬼滅の刃の世界で間違いないようで、鬼だとかその親玉の鬼舞辻無惨とかそれを討伐するための鬼殺隊といった言葉が出てきた。

まじかァ…やっぱり俺がサイコロステーキ先輩であると確信させるための証拠じゃないか。

当然のようにお師匠は俺を鬼殺隊にさせるつもりだし…ならば運命に抗うべきか？


『ともかく、俺は家族を養う為にもお金が必要なんです。

これから向かう先が何処であろうと働き続けるだけ…』


するとお師匠はガシガシと俺の頭を雑に撫で回して笑ってた。


｢まだ十のガキが考えることじゃあない。

まずは飯食って風呂はいって寝て丈夫な体を作ってもらわないとな！｣


その藤色の目はあまりにも澄んでいて、鬼の頸を斬っているとは思えない程である。

でもすごく力強い人だと確信した


『…よろしくお願いします、お師匠』

｢あいよろしく







……ところで君の名前ってなんだっけ？｣





この人色々と残念な人だな…

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