参拾陸の目 ページ36
鉄珍様に挨拶して武器壊してごめんなさいとか言ったら次は無いよと言われた。
これ以降人一倍丁寧に武器を扱おうと思うようになった。
『はぁ…修理と点検に時間が掛かるとは聞いてたけどそれまで暇だ。』
ようやく一人になって露天風呂で肩まで浸かりながら深く息を吐くと鴉が飛んできた。
「Aさん、御報告があります。」
『なんだい相方…随分と急いで戻ってきたみたいだけど。』
風呂に浸かっているためか口調がいつもと違う
リラックスしている中の報告は少しばかりイラッとする。
「そんなにのんびりしている暇はありません!」
鋭いくちばしで俺の頭をつついて急かしてくる鴉の異常さにようやく目が覚めた。
「大変です!花柱様が…花柱様がァ!!」
『…!
すぐに言わんかアホンダラ!!』
勢いよく湯船から飛び上がり脱衣所に向かって衣類を雑に着ると用具入れにしまわれたデッキブラシを乱暴に掴み取ると廊下を走った。
確かカナエさんの部屋は一番陽当たりの良い奥の部屋だ
呼吸を駆使していつも以上に廊下を駆け抜けて力いっぱい襖を開けた先にあった景色は異様なもので顔を引き攣らせた。
「あっ…来てくれたのね〜
ごめんなさい、ちょっと隠が目を離してる間に転んでしまって」
そこには両手を庇うように地面に伏せるカナエさんの姿
頭から派手に流血しているのを見ると頭からいったんだな。
素早く彼女に駆け寄り手ぬぐいで頭を抑えるとまずは意識と状態の確認をした。
『吐き気はありますか?あとはぼんやりするとか…』
突然俺が色々と聞いたからなのか少し困惑しているようにも思える。
ひとまず応急処置だけして横になってもらってるけど、目線だけはずっとこちらを見ていた。
鴉には一緒にいたはずの隠を探してもらうとして、俺はどうしようか
「あの…Aくん」
恥ずかしそうに頬を赤らめてこちらを見てくるカナエさんがあまりにも色気があってなんともまあけしからん…嘘ですありがとうございます
というかカナエさんの視線で気づいた
俺めっちゃ浴衣はだけてた
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雪見だいふく - これから読み始める者です。私は成り代わり系はあまり読まないタイプですが、夢小説を探していた時タイトルからして面白そうだと思い誰の成り代わりだ〜?と思って開いた瞬間サイコロステーキ先輩の顔面が出てきてこれは面白いと確信しました。更新頑張ってください (2022年12月14日 19時) (レス) id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
猫猫 - あの〜すみません…お館様の妻の名前ってあまね様だと思うのですが……とっても面白いです!!!!!これからも頑張ってください!!!!!! (2022年7月26日 7時) (レス) @page16 id: f29fbd18bf (このIDを非表示/違反報告)
猫さくらもち - サイコロステーキ先輩の小説だと、、、!?!?え?作者さんの着眼点が素晴らしすぎる!! (2022年7月17日 7時) (レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
宮 村 。(プロフ) - 初コメ失礼致します!すごく好みすぎる作品です…続編楽しみにしております!! (2022年7月12日 15時) (レス) @page50 id: e0cd2bb1c0 (このIDを非表示/違反報告)
本が大好きなハリネズミ(プロフ) - サイコロステーキ先輩の成り代わりの小説があるなんて…!とても面白いです、これからも頑張ってください! (2022年6月18日 23時) (レス) id: 73a477d291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2022年5月24日 13時