死亡確定キャラに成り代わったら誰だって凹む

参拾肆の目 ページ34

またここに来るとは思わなかった。

産屋敷邸に来るには隠に連れていってもらう必要がある。

彼らの力により再び訪れたこの場所に対して大きな緊張感を抱く俺だが、


｢さて…久しいねA｣


相も変わらず声を聞くだけで落ち着くのは御館様にしかない特別な力と言えよう。

以前よりも呪いが体を侵食して痛々しい見た目に変わってしまった姿は胸が苦しくなる。


｢動けるうちにカナエの元に行ってきたんだ。

上弦の弐と対峙して2人が生き残った事…とても嬉しいよ。｣


確かに上弦の鬼と対峙して生還したのは奇跡だろう。

しかしカナエさんが重症を負った事に俺は責任を感じていた。


『全て私の責任です。柱だけが重症を負って私だけが無傷で済んだ…腹を切る覚悟は出来ております。』


当然口任せである

腹は着るつもりは無いがクビにでもして貰って構わない。

自由に動けてお師匠の仇をとる事も出来るから

しかし、御館様はくすくすと笑っていた。


｢そんなに畏まらなくてもいいのに…それに君に責任を負わせるつもりはないから安心して。

貴重な戦力を削ぐ程こちらも余裕がないんだ。｣


ご最もである

俺だって無駄な損失は抑えたい派だから御館様の言葉が嬉しくて堪らない。


｢相変わらずAは自己犠牲と過小評価の思考が強い。

それに、幼い子供達の相手をしてくれているお陰で君に懐いてしまった…怒ろうにも怒れない｣


うわぁバレてた

最近、ご子息様方にあやとりを教えてたのバレてるよ。

だってめっちゃ楽しそうに俺の周りに来るんだもん…鬼殺隊士は皆して遊んでないで鬼の頸を切れとうるさいから反応が新鮮だったのが嬉しかったんだよな。


｢さてと、そろそろ君の処遇について考えないとだ。

合同任務でありながら共に行動せずにカナエが上弦の弐と対峙するまで自身の為の準備をしたA、君はカナエに償う必要がある。













という事で明日からカナエの療養の付き添いの為に刀鍛冶の里に行ってきてくれ。｣


わぁ唐突★

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