死亡確定キャラに成り代わったら誰だって凹む

肆の目 ページ4

父を失ったこの家に待っているのは終わりだけ

働き手の失った現状、今よりも生活が苦しくなって最悪の場合我が子を売ることになる

俺はまだこんな所で終わりたくないしだからといって家族を見捨てたくない。

俺が出稼ぎにいくしかない


『何でもします

炊事でも家事でも洗濯でも…薪割りだってします。』

｢ふむ…ならばそれよりもきつい仕事を君に任せたいのだがそれでもいいか？｣


随分あっさりと俺を受け入れようとしていたので驚いた。

でもここで引いたらダメだ、ここでやらないと存続の危機であるから。


『家族の為なら自分の手を汚す事だって承知の上です。』


正直サイコロステーキ先輩の性格がどうであったかは曖昧だ。

でも、もしこの世界が本当に鬼滅の刃の世界ならば鬼に対抗する力は必要になる。

目の前にいる大人の元で働きながら剣技でもなんでも目で盗んで自分のものにしてしまいたい。


『覚悟なんて昔からできています。そうでもしないとこの残酷な世界は生きられません。』

｢よし…では君を受け入れよう。
今日から君は私の弟子であり鬼殺隊の候補者だ。

まずは自己紹介だな…


私の名前は藤宮とでも呼んでくれて構わない

鬼殺隊の柱が1人、藤柱の藤宮だ。｣



ふわりと舞う羽織に施された藤の花のデザインと藤宮と名乗る隊士の目に俺は息を止めた。

本当に俺はこの方の元で生き抜けるのだろうか

不安になるしこの先の未来が決まっていることも加わって鬼殺隊が嫌いになりそうである。

でももっと嫌いなのは、俺の人生を変えるきっかけとなった鬼である。

父を喰ったことは必ず忘れない

ただ1人、師匠の隣で静かに闘志を燃やしているのは俺だけの秘密である。

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