死亡確定キャラに成り代わったら誰だって凹む

拾参の目 ページ13

これ以上一緒の空間に置くのはまずいと判断した隊士達は俺達を離してようやく落ち着いた。


『ごめんなさい…出しゃばってしまいました。』

｢いや、君はこうなることを想定してあえてあの様な行動に出たのだろう。

こちらも配慮が足りなかった、すまない。｣


申し訳なさそうに眉を顰める炎柱に俺は謝る必要は無いと言った。

謝るべきなのは俺じゃなくて被害者である伊黒小芭内という少年だろう。

振り返って少年を見つめると、俺は頭を下げた。


『ごめん…俺のせいで君と従姉妹の関係をさらに悪くしてしまった。

許してくれとは言わないけど謝らせて欲しい』


頭を下げ続けてどのくらい経ったか分からない

そんな時、頭上から掠れた声が聞こえた。


｢小芭内…僕は小芭内…！｣

『うん。』


微かに鼻をすする音が聞こえているけど決して頭をあげない

彼は生きていて良い、一族に囚われる必要なんて一切ないんだ。

それを伝えるべきか否かは分からない、だから言わない

何も知らない子供を装って笑っていよう


『君は俺の友達、小芭内という掛け替えのない友達だ。』

｢…！

うん。｣


あー可愛い

別にショタコンとかそういうのではなく子供という存在はみんな可愛い

細くて小さな手をとって友好の証として握手をすれば首を傾げていた。

わからなくてもいい、でも友達になったことは忘れないで欲しい。

そんな子供としては他愛のない日常にも思えるその光景は、大人である炎柱にとっては特別なものに見えたという。

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