死亡確定キャラに成り代わったら誰だって凹む

拾壱の型 ページ11

伊黒小芭内という少年は生まれた時から牢獄の中で過ごし、12歳になる今まで鬼に食べられるために育てられたという過去を持つ。

重たい…サイコロステーキ先輩の家族事情よりも重たい

というかこの調子だとまだ他の生き残りと会ってないのか？


『あの…その鬼の被害に会った方は他にいますか？』

｢……生き残ったのはこの子とあともう1人保護したのだが、他の隊士が預かっていてまだ対面はしてないんだ。｣


ならば会わせない方が良い

子供の残酷な一言は彼の心を抉ってしまうから

これでも原作は結構読んでいるんだ、この場で選択肢があるとするなら俺はキャラクターの心や体の負担を少しは軽くしたい。

でもどうやってその事を伝えるか


『あの…ついて行っても良いですか？』


これを相手がどう解釈してくれるかだ

子供の好奇心と捉えてくれたら警戒されずに済む

お師匠は剣技以外は基本放任主義だから別に構わないと言ってくれるのはわかってる、あとは炎柱だけ


｢構わない、小芭内のお友達が増えて嬉しいからな。｣


わかる…わかるぞ伊黒さん

その目はこいつなんか友達じゃないと言った顔だな

どの時点から彼がひねくれた性格になったかは分からないがこのタイミングでもう素質はあったんじゃないか？

その後、炎柱は俺の同行を許可してくれた


｢実を言うと小芭内のような物静かな子供を相手するのは苦手なんだ…出来ればたくさん話しかけてくれないか？｣


俺の耳元で言ってくるなんて…何それ炎柱可愛い

よく考えてみればこの時点で煉獄家にいる子供は元気いっぱいの長男とまだ赤子と思われる次男、それと強い奥さんという家庭環境で生活してたらこんな少年を相手するのも難しいだろうな。

俺は問題ないと言って炎柱を挟んで向こう側にいる彼にいくつか話しかけて見た。


『小芭内って呼んでもいいかい？』


とか


『肩に乗ってるきれいな蛇は友達かい？』


とか


『すごく綺麗な目だな！そんなに綺麗な目を見たのはお師匠以来だ！』



するとピクっと反応して俺を見てきた…が、何も言ってこない。

もしかして何か気に触るようなことを言ってしまっただろうか。

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