転生したらトカゲだった (ページ32)

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そこからは大変だった。

急いで倒したイカ共を食べて、残ったクラーケンは全部港町の民に分け与えた。

それでもかなりの量で、民の皆が分け合っても余る程だった。

私はというと、先程から体が重くて重くて仕方がないのだ。

『進化も近い…しばらくはそこの洞窟で寝てるからホイミ達は港町で自由にしていいよ。

あとヒャド、君の力を無理に使用させたことを許してくれなんて言わない。ひとつ謝らせてくれ

すまなかった。』

とりあえず簡単な指示を出して支配スキルを使ってヒャドを縛ってしまったことを謝ると、私は重い体を引きずって洞窟に引きこもった。

先程から眠いのだ

進化する前兆と、あとは龍の言霊を使用したことによる魔力の回復のために眠るのだろう。

これは1ヶ月は寝るな

その時の感覚は鮮明に記憶に残っている

自信に向けられた命令と咆哮は身体の隅から隅まで震え上がらせて体どころか脳まで支配される感覚に不思議と恐怖は感じなかった。

それどころか喜びという感情が後になって襲いかかってきて笑みが零れた。

まるで支配されていることを待ち望んでいたかのようなそんな感覚

主は自分を人形のように扱ってしまったことを悔いて悩んでいるようにも見えた。

そんなの…アイススライムのヒャドからすれば悩むようなことではない。

むしろ感謝しているのだ

本当の意味で自分は主の手となり足となったのだから。