[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ21)

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七十一話ページ21

青く澄み渡る空

目を閉じて波の音に心を落ち着かせ、潮の香りに新たな地に来たという自覚が湧いてきた。

｢ここが新たな地、群青の海岸ですか！｣

ラベン博士と共にやってきた新たな地に心を踊らせながらも今回の任務について思い出した。

この群青の海岸でポケモンの調査をするのが自分の仕事

このエリアにはキングはいないらしく、キャプテンは存在するという。

そういえば群青の海岸でシンジュ団の長カイが話したいことがあると言っていたのを思い出した少年テルは、浜辺の前で笛を吹く彼女に歩み寄った。

なんとも美しい笛の音色、さすがはカミナギの笛といえるだろう。

彼女曰く、笛というのは心を落ち着かせるのにぴったりなものと言えるらしい。

だからこそ迷いを断ち切り物事を決められる

そこでカイはテルにポケモン勝負を申し込んだ

｢私は、私の弱さを知らねばならないの！

時空の裂け目の先に広がる空間を知る人よ、いざ参ります！｣

彼女の覚悟に少年テルも応えることにした

相棒と共にこの勝負、勝ってみせる

そんな意思で空高くモンスターボールを投げた。

｢行け、マグマラシ！｣

ポケモンのバトルシステムが制定されたのは割と最近なのかもしれないと思うようになってきたのは彼女とのバトルをした時だろう。

まさか相棒のグレイシアとの戦いにイーブイが乱入してくるとは思わなかったので戸惑ったが、何とか勝利することが出来た。

｢すっきりした。世界は広く…私は小さいなぁ｣

彼女は新任のシンジュ団リーダーとはいえまだまだ成長する存在。

だからこそ多くを知りたいという欲が強いのだろう。

それを理解したテルもポケモンをよく知りたい、仲良くなって共に強くなりたいという気持ちの強さを持つので彼女の気持ちはよくわかるのだ。

｢あなたなら本音を話せるかも。デンボクさんとは団の長同士で弱みを見せたくないし…

Aはそんなの気にしなくていいって言ってくれるんだけどね。｣

Aなら確かになんでも相談に乗ってくれそうだ…彼女の顔を思い出しながらも頷いていると、カイは本音をあらわにした。