親友だって楽じゃない。 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:26,647 hit

Best Friend 2 ページ2

.

高校二年の私。

そんな私にこんな親友が出来たきっかけは、

.

「おっきい学校… 」

高校一年生の春。

私はこれからどんな青春が待っているのか、胸を踊らせていた。

大きく息を吸って──

「 …いざ！！」

大きく一歩を踏み出した──時、

ガッ、

「うわっ… 」

女子らしからぬ声を出して、

……こけた。

最悪だ…みんなに見られてる…

急いで立ち上がって、素早くその場所を去ろうとした。

でも、

『待って！』

腕を掴まれて、できなかった。

「なんですか… 」

恥ずかしくて、ゆっくりそろりと後ろを向くと、

──ドキン、

『膝！怪我してるよ！絆創膏、使って？』

そう言いながら絆創膏を出すのは、可愛らしい顔立ちの男の子。

「ありがとうございます… 」

『うん！それにしても…すごいこけ方だったね！』

「 …は？」

『あんなこけ方の子、初めて見たよ！』

ニコニコと笑顔を向けてくる。

「 …そんな言い方ないじゃん！」

『え？』

「こっちはすごい恥ずかしいの！！もうちょい気遣ってくれても良いんじゃない！？」

大声でそう訴えると、余計に注目を浴びる。

やってしまった…

そう思い、うつむくと、

『キミ、おもしろいね！！』

「はい？」

『良かったら親友になろうよ！』

「 ……… 」

『ね？』

ズイズイと握手を求めてくる。

「 ……ぜっっっったい！やだ！！」

『なんで！なんで！？なんでぇぇぇぇ！？』

「うるっさい！！黙って！！」

『君の方がうるさいよ！！！』

「あんただわ！！！！」

『君！！！！！』

そんな言い争いを何度も続けて、

「はあ…わかったよ、親友になればいいんでしょ」

『ほんと？ありがとう！！！』

「 …私、山下A。あなたは？」

『俺は岩田剛典だよ！よろしく！！』

「まぁ、よろしく… 」

『まぁってなにさ！！』

そう、握手を交わした。

その時、

人生で初めて一目惚れをして、

初めて男の親友ができました。

next