□WARM ページ33
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先輩は私の腕を掴んだままずんずん歩く。
「 せ、先輩っ! 」
広臣「 …なに、 」
思わず名前を呼ぶと、鬱陶しそうに顔を歪めた先輩が振り返った。
「 公園、よりません? 」
ちょうど視界に入った家の近くに公園。
まだ先輩といたいから…
広臣「 …別にいいけど、肉まんは 」
「 ベンチで、食べます! 」
広臣「 そ、 」
先輩はぷいと顔を逸らし、私の腕を離して公園に入っていった。
………腕は、そのままで良かったのにな。
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「 いただきまーす 」
先輩とベンチに座って、私は肉まんを出す。
「 んふ、おいしい♡♡ 」
その美味しさに頬を緩めると、視線に気づいた。
「 ……なんですか、先輩? 」
広臣「 あ?なんもねぇよ 」
「 いや、なんもないって感じじゃ… 」
広臣「 なんもねぇ、っつったらなんもねぇんだよ 」
「 そうですか… 」
先輩の圧力に負けて、もう一度肉まんを頬張ろうとした、とき。
広臣「 ………ぃ…は 」
「 …はい? 」
広臣「 …あいつとは、なにがあったわけ? 」
「 あいつ…? 」
広臣「 ほら、いつもお前の周りうろちょろしてる犬みたいな奴 」
「 …ああ、岩田ですか? 」
思いついた名前を言うと、先輩は軽く頷いた。
そのまま私の目をじっと見つめるかあら、言わざるを得なくて…
「 実は…… 」
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.
「 ………です 」
広臣「 んな事だろうと思った 」
「 へ…? 」
広臣「 前から気づいてたしな。あいつがお前のこと好きだってこと 」
「 分かってたんですか!? 」
広臣「 嫌でも分かるよ。会うたび睨まれてたら 」
「 そ、そんなことしてたんですか!? 」
岩田の野郎め……
岩田を心の奥底で恨んでいたら←
広臣「 …………ムカつく 」
小さな先輩の声が聞こえた。
「 先輩…?なんて、言いました? 」
聞こえなくて、先輩に聞き返すと、
「 せんぱ……っふご、 」
両手で頬を挟まれた。
あまりにも近いその距離に私はただただ赤面で。
「 しぇんぱい…?どうしーー 」
広臣「 ……お前は、 」
私の言葉はを遮った先輩は手の力を一層強くして、
広臣「 お前は、俺のことだけ見てればいいんだよ 」
そう、言った。
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れっどきゃっと(プロフ) - MIKIさん» ありがとうございます!良かったですか!?嬉しいです!次があるか分かりませんが、よろしくお願いします(^-^) (2017年2月25日 23時) (レス) id: 7d625cd6df (このIDを非表示/違反報告)
MIKI - 完結 お疲れ様でした(^-^) とても良かったですo(^-^)o 次の作品楽しみにしてますね〜♪ (2017年2月9日 19時) (レス) id: 2b2ebd354e (このIDを非表示/違反報告)
れっどきゃっと(プロフ) - そーるさん» ホントですか!?ありがとうございます(≧∀≦) (2017年1月19日 16時) (レス) id: 7d625cd6df (このIDを非表示/違反報告)
そーる - この作品ホント好きです!! (2017年1月16日 17時) (レス) id: 49df6efcd7 (このIDを非表示/違反報告)
れっどきゃっと(プロフ) - 夏恋さん» おもしろいと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張ります(*^^*) (2017年1月15日 2時) (レス) id: 7d625cd6df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れっどきゃっと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/akajasu7
作成日時:2016年12月23日 16時