■COLD ページ20
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店を出るとそれはそれは、
「 うわぁ… 」
酷い雨。
どうしよう…傘、もってないしなぁ。
雨にうたれたら、この涙も分からないかな。
そう思ってどしゃ降りの雨の中、歩き出した。
.
.
「 もー、ツイてない… 」
そう呟きながら、ブランコを軽く漕ぐ。
家に帰ったけど運悪く鍵を忘れて、お兄ちゃんもまだ帰ってなかった。
しょうがなく近くの公園に。
「 はぁ… 」
ため息ばっかりつく私の頭には、先輩と優里の姿。
お似合いだったな。
私には、やっぱり勝ち目はないのかな。
「 あーあ、やっぱり辛いなぁ…笑 」
雨で消えるかな、と思った涙も溢れるばかりで。
必死に涙を隠そうと笑ってみてもダメで。
「 …っふ、せんぱ、…も、っやだ、…! 」
『 A…? 』
え…?
.
「 いわた…… 」
剛典「 おまっ、なにしてんの!? 」
私を見つけた岩田は急いで駆け寄ってきて、傘を差し出してくれる。
「 岩田、濡れるよ… 」
剛典「 俺のことはいいから!! 」
優しいね、岩田。
「 ねえ、岩田… 」
剛典「 ん…? 」
優しく問いかけてくれる岩田。
そんな岩田の顔を見れなくて俯く。
「 …もう、さ。ダメなのかな… 」
剛典「 え…? 」
「 ずっと、ずっと先輩だけ見てきたのに、さ… 」
剛典「 ……… 」
「 諦めた方が、いいのかなあっ…? 」
涙が溢れる目をそのままに、上を向いた瞬間、
──とさっ、
「 ………ぇ、 」
傘が落ちる音がして、
剛典「 ……A 」
暖かいなにかに包まれた。
それが岩田だと気づくのにあまり時間はかからなかった。
「 いわ、た…? 」
剛典「 …なぁ、俺じゃ、ダメ? 」
「 な、なに言って… 」
剛典「 …A、好きだよ 」
その言葉に何も考えられなくなって、
剛典「 …お願いだからさ、俺を見てよ 」
ゆっくり体を離されて、岩田の綺麗な顔がどんどん近づいてくる。
それにも抵抗できなくて。
──唇がゆっくりと、触れた。
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れっどきゃっと(プロフ) - MIKIさん» ありがとうございます!良かったですか!?嬉しいです!次があるか分かりませんが、よろしくお願いします(^-^) (2017年2月25日 23時) (レス) id: 7d625cd6df (このIDを非表示/違反報告)
MIKI - 完結 お疲れ様でした(^-^) とても良かったですo(^-^)o 次の作品楽しみにしてますね〜♪ (2017年2月9日 19時) (レス) id: 2b2ebd354e (このIDを非表示/違反報告)
れっどきゃっと(プロフ) - そーるさん» ホントですか!?ありがとうございます(≧∀≦) (2017年1月19日 16時) (レス) id: 7d625cd6df (このIDを非表示/違反報告)
そーる - この作品ホント好きです!! (2017年1月16日 17時) (レス) id: 49df6efcd7 (このIDを非表示/違反報告)
れっどきゃっと(プロフ) - 夏恋さん» おもしろいと言ってもらえて嬉しいです!更新頑張ります(*^^*) (2017年1月15日 2時) (レス) id: 7d625cd6df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れっどきゃっと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/akajasu7
作成日時:2016年12月23日 16時