37-Grievously ページ42
潔子ちゃんが入部した理由を、練習が終わった後に、全部ちゃんと詳しく聞いた。
孝支くんが、頭下げて、《お願いだからAちゃんを助けて》と言ったそうだ。
何人目かは知らないけど、断られている所を何回か見ていたから、潔子ちゃんは受けた、と。
そんな、紆余曲折があって、潔子ちゃんはこの部に来た。
私のせいで、潔子ちゃんは来たくもなかったかもしれないバレー部に来てしまったのだ。
「……孝支くんもよくやるなあ。」
一人、バス停で徹ちゃんを待つ時間。
赤いカバーをはめたスマートフォンに、赤のイヤホンを突っ込んで、適当な音楽を流しつつ。
潔子ちゃんの入部動機を聞いてしまった私は、深く考える。
私の体は、どうして丈夫じゃないのだろう。
「まーた、いつもの歌聴いてるんでしょ。……お待たせ、A。」
不意に片耳のイヤホンが外され、徹ちゃんの声が響く。
徹ちゃんは、何故か満足そうな笑顔を浮かべていた。
「どうしたの徹ちゃん、嬉しそう。」
「よくぞ聞いてくれました！……彼女、できちゃった。」
むふふっとどこか気持ち悪い笑みを浮かべる、徹ちゃん。
でも幸せそうだから、私も、笑って喜んであげる。
「よかったね、徹ちゃん。」
徹ちゃんの彼女、潔子ちゃんみたいないい子だといいな。
バスが来て、隣同士の席に座る。
バスの車内はとても静かなので、私も徹ちゃんもしゃべらない。
たった二つのバス停の間なのに、沈黙が長く感じるのは。
徹ちゃんが徹ちゃんだからなのか、それともクロくんや光ちゃんじゃないからなのか。
やっぱり今日の私では、分からなかった。
バスを降りて、一歩目、徹ちゃんは思い切り息を吸って、
「嘘だよ、彼女できたって。……俺Aが一番だから。」
と、さっきの彼女の話をしてくる。
切実に幸せを願った私の時間を返せ、とは言わない。
私の幸せを誰かが願ってくれる時間の方が、きっと私が誰かの幸せを祈っている時間より長い。
だから、文句は、言わない。
「Aが妬いてくれるかと思って嘘ついた。……俺Aが好き。」
徹ちゃんの、これは遠回しな告白なのだろうか。
だとしたら、答えは、
「私じゃ、徹ちゃんは幸せになれないよ。」
いわゆる《いいえ》だけ。
例え相手が徹ちゃんだって、虹村くんの時と同じ答えしか持ち合わせていないの。
不幸になってほしくない、から。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MIORINE(プロフ) - nanoさん» コメントありがとうございます。続けてほしいと言って下さる方がいらっしゃるので頑張ってみることにしました。 (2014年11月24日 15時) (
レス) id: c4fda7ba0c (このIDを非表示/違反報告)
nano - もう遅いかもしれませんが私は続けて欲しく思っております。まあ1読者の意見ですので続けるかは貴方様の判断で良いと思いますが…(´・ω・`) (2014年11月24日 15時) (レス) id: f0d8cf3aaf (このIDを非表示/違反報告)
MIORINE(プロフ) - 和人孫さん» コメントありがとうございます。本当に長々と続いてしまうかもしれませんが、頑張ってみます。 (2014年11月24日 14時) (レス) id: c4fda7ba0c (このIDを非表示/違反報告)
MIORINE(プロフ) - 夜宇宙さん» コメントありがとうございます。更新改めて頑張ってみることにします。 (2014年11月24日 14時) (レス) id: c4fda7ba0c (このIDを非表示/違反報告)
和人孫(プロフ) - もし、たくさんの時間がかかっても 終わり が見たいです。待ってます。 (2014年11月24日 6時) (携帯から) (レス) id: 4d48cfdd75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MIORINE | 作成日時：2014年10月19日 20時
