紅き翼を持つ天使Ⅱ－イナズマイレブン－ (ページ4)

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第５４話ページ4

紅羽＞４年前のあの事故に、お前は関わっていたのか。

彼女の－－神童紅羽の質問に、総帥が返した答えはこうだった

影山＞・・・ふっ。翼を傷付けられた天使は、空を飛ぶ事を忘れたようだな。私に従っていれば、その翼が傷付く事もなかったろう。

紅羽＞ッ！！お前かぁ！！

円堂＞神童！

鬼道＞よせ！！

怒り任せに突っ込もうとする彼女を、一番近くにいた俺が止めた

なんとか腕を掴むが、正直振り解かれそうだ

紅羽＞お前が！お前がぁ！！

鬼瓦＞・・・・・その事についても、洗いざらい吐いてもらうぞ。

紅羽＞待て！！

警察に連行されて行くのを追いかけようとする彼女だが、今は行かせてはならない気がした

鬼道＞神童！！

紅羽＞返せ！返してよ！！

鬼道＞落ち着け神童！

紅羽＞放して！！

鬼道＞天宮！！

紅羽＞！？

彼女にとっては、数年振りになるだろう名前を呼んだ

振り返って俺を見てきた彼女は、今にも泣き出しそうな顔をしている

鬼道＞落ち着け、天宮。

紅羽＞ッ・・・。

急に大人しくなった彼女の目からは、大粒の涙が溢れ出した

昔のような眩しさはないが、今でも変わらない美しさを持つオレンジ色が潤んでいる

・・・ああ、そうだ

俺は、彼女を知っている

サッカーをしていた頃の、天宮紅羽を－－

とはいえ、本名を知ったのは最近だ

俺が知っていたのはあだ名の方だけだった

あの頃の俺にとって彼女は、憧れだった

強く、凛々しく、美しい選手だった

彼女のゲームメイク力に、プレイに、全てに憧れていた

だが

その彼女が飛べなくなった事に、まさか影山総帥が関わっていたとは・・・

調べていてわかった

彼女は、俺と似たような境遇だった

だから、というのもあるのかもしれない

泣き出した彼女を慰めてやりたいと、そう思った

放っておけなかった、とも言えるな

頭に手を乗せ、艶のある緋色の髪を撫でる

俺らしくない事は承知している

源田＞鬼道・・・。

帝国イレブンは、みんな知っている

俺が話したからだ

土門から総帥の指示で、彼女についても探るように言われたと聞いた時から、ずっと気になっていたのもある

だからこそ、俺なりに調べ尽くした

今回のような企てがあったんだ

彼女の事を探らせていたのも、何か企みがあったんだろうと思う

だから俺はみんなに話した

俺達が目を光らせていれば、危険を回避できるだろうと

だが、別の事が回避できなかったようだ

目の前で泣く彼女を見て、俺は申し訳なさと悔しさを感じた