紅き翼を持つ天使Ⅱ－イナズマイレブン－ (ページ24)

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第７４話ページ24

豪炎寺＞売られた喧嘩は買うのが、神童だからな。

鬼道＞・・・・・お前なぁ・・・。

笑顔で言い切った豪炎寺に、俺は呆れるしかなかった

こいつ、図ったな・・・

鬼道＞・・・話を戻すぞ。

豪炎寺＞神童の言い方が引っかかった、だったか？

鬼道＞ああ。本当にサッカーを嫌っているのなら、監督に止められたからという理由は出てこない。神童なら、関わりたくなかったから突っ込まなかった、とでも言いそうだろう？

豪炎寺＞・・・確かに。

鬼道＞一応、監督にも確認した。が、神童は本当に自分から言い出したそうだ。私が修正しますか、とな。

豪炎寺＞・・・。

これは、俺の勝手な憶測だ

神童が自分からサッカーに関わろうとした

俺にはそう思えてならない

鬼道＞あいつは、完全にサッカーを嫌ったわけではない。向き合おうとして、それでも向き合えない。

豪炎寺＞・・・・・怖いんだろう。

鬼道＞怖い？

豪炎寺＞自分がサッカーをする事で、また誰かが傷付く。また何かを失う・・・だからサッカーを嫌った。

鬼道＞・・・防衛本能、というやつか。

自分が、周りが傷付く事から守るために

恐怖心が、神童の本心を押し殺している

鬼道＞・・・どう思う？

豪炎寺＞・・・・・向き合って欲しいとは思う。もう一度、あいつのプレイを見たいというのもある。だがもし、神童自身がもう一度サッカーをしたいと望むなら・・・。

鬼道＞手助けしてやりたい、か・・・。

豪炎寺＞・・・。

平然とした態度を見せる神童だが、その裏側は恐怖でいっぱいなんだろう

自分ひとりでは、一歩を踏み出せない

そういう脆い所は、やはりあいつも女の子というわけか・・・

鬼道＞だが、無理矢理フィールドに出しても意味はない。あいつが自分の意志で踏み出さなければな。それはお前もわかってるんだろう？

豪炎寺＞・・・・・ああ。わかっている。

ああ、そうだ

お互いによくわかっているんだ

あくまでも一歩を踏み出すのは、神童自身

俺達にできるのは、恐怖で躊躇いがちに伸ばされるその手を、掴んでやるくらいだ

鬼道＞・・・ところで、昔の神童はどんな奴だったんだ？

豪炎寺＞小学生の頃の神童か？４年前と同じだな。よく笑う奴だった。あと活発だったな。

鬼道＞今の神童からは、想像ができないな。

豪炎寺＞だろうな。この事は、神童には言わないでくれるか？

鬼道＞それは問題ない。話す必要がないだけで、隠すつもりはないらしいぞ。

豪炎寺＞そうなのか？

鬼道＞ああ。