紅き翼を持つ天使Ⅱ－イナズマイレブン－ (ページ18)

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第６８話ページ18

鬼道＞俺のサッカーは終わったんだ。

円堂＞そんな事はない。お前が見捨てない限り、サッカーはお前のものだ。鬼道！

円堂が投げたサッカーボール

今度は、それを蹴り返した鬼道

受け止めた円堂は、笑って見せた

鬼道も・・・私とは違うんだ・・・

豪炎寺もそうだった

私とは、違う・・・

円堂＞うわぁ！すっげぇ、すっげぇ！

で、なぜか私と円堂は鬼道邸にいる

なんで私まで？

円堂＞なぁ、きょうだいとかいるの？

鬼道＞知ってるだろう、春奈の事。

円堂＞あぁいや、そうじゃなくって、さ！

おい、壊すなよ？

倒しかけたランプをなんとか受け止めた円堂だけど・・・

鬼道が立ち上がりかけたくらいだ、きっと割ったらヤバいよ、うん

円堂＞この家に。

鬼道＞俺だけだ。

円堂＞マジ！？こんな広い部屋にひとりかよ！？

部屋の中を歩いて見て回る円堂に、鬼道がクスリと笑った

そんなに可笑しいかな？

というか・・・

紅羽＞そんな広い？私の部屋とあんまり変わんないと思うけど。まあ、実際はピアノがあるからちょっと狭く感じるかも。

円堂＞神童の部屋もこんな広いのか！？

鬼道＞比べる基準が間違ってるぞ。

紅羽＞？

鬼道〈こいつ、自分も財閥のお嬢様だって事を忘れてないか？〉

円堂＞ん？すっげぇ古いサッカー雑誌だな。

鬼道＞まあな。俺がなんでサッカーやり始めたか、知ってるか？

円堂＞ううん。

鬼道＞だろうな。俺だって人に話すのは初めてだ。

円堂＞なんだよ・・・。

鬼道＞俺の両親、飛行機事故で死んだんだ。

円堂＞えっ。

紅羽＞！？

鬼道＞父さんも母さんも、海外勤務が多くてさ。俺と春奈はふたりっきりだった。そしてあの事故で、本当にふたりっきりになっちまった。

このサッカー雑誌は、たったひとつ残った遺品だそうだ

鬼道＞家族の写真１枚残ってない。小さかったから、父さんや母さんの記憶もほとんどない。残ったのはこれだけ。これだけが、父さんと俺を繋ぐ絆なんだ。だからサッカーを始めた。ボールを蹴れば、父さんと一緒にいるような気がした。

円堂＞鬼道・・・。

鬼道＞最初はそうだったのさ。ボールを蹴ってれば楽しかった。だが、周りは勝つ事を求めてきた。サッカーは勝たなきゃいけないものになってしまったんだ。どんな事をしてでも勝たなきゃいけないものに。だから、影山が神様に思えた。あんな奴がだ！

紅羽＞・・・。

原点はみんな、同じなんだ・・・

円堂＞お前は？

紅羽＞えっ？

ヤベッ、聞いてなかった