紅き翼を持つ天使－イナズマイレブン－ (ページ6)

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第６話ページ6

なんだかんだで、数日なんてあっという間だ

帝国学園との練習試合、当日

私はグラウンドには行かず、教室の窓から事の成り行きを見ていようと決めた

降りたら面倒くさそうだし・・・

そもそも、なぜあの強豪校である帝国学園が、今や弱小と成り果てた雷門中に練習試合を申し込んだのか

その理由がまだわからなかった

こんなの、弱い者イジメになるだけ

一方的な試合になるんじゃないかと思う

なのに、どうしてわざわざ・・・

この時期にあった事なんて言えば、サッカー部が廃部になるかもしれないという話と・・・

紅羽＞あ・・・。

豪炎寺修也の転校・・・？

彼がいた木戸川清修は、サッカーの名門校とも呼ばれる所だ

もし、彼が転校前にいた木戸川で、サッカー部にいたんだとしたら？

もし、帝国学園との試合に、彼が参加した事がないんだとしたら？

もし、帝国学園が彼に興味を持っているんだとしたら？

これなら全て辻褄は合う

あのサッカーバカも、どこで見たのかは知らないけど、彼のキックを興奮しながら褒めていた

サッカー部だった可能性は十分にあり得る

でも今の彼は、サッカー部の部員ではない

サッカーはもうやめたとまで言っている

私と同じだ

あの瞳(め)は、私と同じだ

だからわかる

彼も何かを背負って、サッカーから離れた

でも、私とは違う

それは－－彼がまだ、サッカーを好きでいる事

自分の気持ちを無理矢理に押し殺して、サッカーから遠ざかっている

豪炎寺修也・・・キミは一体、何を背負って自分を騙しているのだろう？

まだサッカーを好きでいられているキミと、サッカーを嫌いになってしまった“ボク”

キミと“ボク”の違いは、なんなんだろう・・・

そんな事を思いながら、窓枠の向こうを見つめる

グラウンドには緊張が走り、帝国学園との練習試合に対するプレッシャーが伝わるような気がした

この試合に、サッカー部の存続も関わっているらしいから、当たり前といえば当たり前なのかもしれない

近くにある木の影では、幹に背を預けて立つ彼の姿も見える

まるでこの窓枠は、カメラのレンズだ

この窓枠という名の、フレームの向こう側

そこには、かつて私が“ボク”としてそこにいた世界が広がっている

なぜだかそんな気がした

別に帰りたいとは思わない

でも、なぜだろう・・・

また覗いて見たいと思う気がするのは

窓枠というフレームに手を伸ばし、私は少し身を乗り出すようにして、そこからグラウンドを見下ろしていた