83 T.K ページ36
−高橋said−
廉が、声を震わせながらも、その手紙を読み終えた。
俺達みんな、すぐに言葉は出てこなかった。暫くして、廉が悲痛に叫ぶ。
n「......しょおぉぉッ＿＿！！」
悔しそうに、悲しそうに......唇を震わせて、目を伏せる。
俺らも......どうしようもなく胸が苦しくて。
紫耀からというその手紙は、随分とシンプルで、どこか......分厚い壁を作っているかのようだった。
でも、はっきりと、もう会えない、という旨だけは告げていて。訳わかんないよ、そんな。俺、嫌だよ＿＿！
まるで、最後の言葉かのようで、俺らは受け入れられない。
とにかく、この手紙からわかったのは、紫耀の今の状況などではなく、別れ、という事だった。
そんな勝手な事、ある？俺達、ずっと探してたんだよ。まだ諦めてないんだよ？それすらわかっている上で、勝手でごめん、なんてずるいよ＿＿！
廉には......紫耀がいなくちゃ駄目なのに。
やっと、みんな思いは一つになって、前に進める......そう思ったのに、それすら許してくれないのだろうか。
さっきまで安堵したような廉の表情が、今また弱々しく歪んで......ああ、また泣いちゃうよ＿＿
n「この手紙、な」
しかし、決して泣かまいと、強く堪えて、廉は悲しそうにその手紙を見下ろす。
n「所々、文字が滲んどるんよ。......きっと紫耀、これを書きながら、泣いてたんや＿＿」
確かに覗き込むと、歪な文字が、その滲みのせいで更に歪んでいた。
本当にわかんない。わからなすぎるよ、紫耀。
紫耀は一体何と闘ってるの？それも、一人でなのか......。
これを書いている時、どんな思いだったの。ねぇ。俺らにも教えてよ。分けてよ。
n「......もしかしたら＿＿」
廉は不意にそう呟いて、ゆらりと立ち上がり、リビングを出て行ってしまう。少しして戻ってきた。
その手には、また別の、更にボロボロに褪せた封筒が握られていた。
それを見て、俺達は目を見開いた。
t「それって.....ッ廉が書いた＿＿！？」
それに対し彼はこくんと頷く。
歪な字で、平野紫耀様、永瀬廉と言う名前と住所が書かれたそれは、きっと、間違いなく、紫耀が施設を出て行った後に紫耀に宛てて出したという、手紙だった。
俺達は見た事が無かったから(廉が恥ずかしいのか嫌がった)今回初めてちゃんと見たけど。
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ありす(プロフ) - ichiconv6さん» 先が読めないサスペンスと言って頂けるのは本当に感激です！どうか今後もよろしくお願い致します！ (2020年3月12日 23時) (
レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
ichiconv6(プロフ) - 本当にどうなる？先が読めない展開…果たして廉紫耀は再会して幸せになるのだろうか…土曜サスペンスみないな効果音が聞こえるよ。 (2020年3月11日 23時) (レス) id: 9124e2aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 蘭さん» 反応ありがとうございます！どうなってゆくのか、展開をどうぞお見守りください...！笑 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - うわああああああああやばいですうううううう！！！！！！最後の1文やばいてすうううううう (2020年3月4日 6時) (レス) id: 34cf0ac15c (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - あおいさん» あおいさんはじめまして。中毒性高いというのは初めて言われました！とても嬉しいです、ありがとうございます！ゆったりやってますがどうかよろしくお願い致します♪ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありす
| 作成日時：2020年1月20日 21時
