76 ページ29
k「うお廉！！って、びしょ濡れじゃねぇか！！？」
どうやって戻ってきたのか覚えてないけど。優太の焦って駆け寄ってくる姿にハッと気がつく。忙しくやべぇやべぇ！とまたタオルと着替えを持ってきてくれた。
k「まじびっくりしたわ。急に飛び出してくから＿＿。俺も追いかけたかったけどさ、店の事もあったしさ〜」
優太が一人で喋ってるのをどこか遠くで聞きながら、頭の中にあるのは奴も事。
用意してくれたストーブの前で温まりながら、段々何故か涙が出そうになった。俺は、どうするのが正解だったんやろう＿＿？
k「＿＿ん、れんー.......大丈夫か？」
n「え、あ、おん、悪かったな......」
ハッとすると、優太が心配そうに顔を覗き込んでいて。何かを感じ取ったのか、ポンポンと俺の頭を撫でる。ったく、ガキ扱いすんな。......けど、今はそれが、凄く温かい＿＿
k「......なあ、廉、一つ訊いていいか？」
n「......ん」
せや、流石の優太もおかしく思うよな。きっと、俺の隠し事について訊かれる＿＿そう覚悟した。
しかし、彼の口から出てきた内容に、思考が停止しかけた。
k「さっきのあいつって......紫耀なの、か......？」
n「......は」
何で？確かに紫耀に似てるとは言ったが、別人だと言ったはずだ。シャングリア社の令息だと。だから、それは既にちゃんとわかっているはず。
n「なに......言うとるん......」
訳がわからずそう訊き返せば、優太は俺の反応に困惑したような表情を浮かべた。ますますわからない。
k「俺だって最初来た時まじでビビったけど、ちゃんとわかってた。確かに紫耀そっくりだけど、シャングリア社の息子さんなんだって。別人なんだって。
でもあいつが出てった時......廉、呼んでたじゃん......？」
n「え......？」
呼んでた......？何＿＿？
k「 待 て、紫 耀 って＿＿！」
どこか青い顔で、俺に真剣に、震え声で語りかける。
とても冗談を言っているようなノリでは無かった。
心臓がバクバクする。
必死に記憶を辿った。
あの時は夢中で＿＿
＿＿待て！！！ッ紫耀＿＿＿＿！！！！
......そういえば、言っていた、ような、気もする＿＿
何で......俺は、あいつの事を、��紫耀��なんて呼んで＿＿？
混乱して、頭を抱えた。
k「それも一回きりじゃなくて、何回も紫耀、紫耀！って、必死な顔で名前呼んでたから......。てっきりあいつ、紫耀だったのかと......」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 578人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありす(プロフ) - ichiconv6さん» 先が読めないサスペンスと言って頂けるのは本当に感激です！どうか今後もよろしくお願い致します！ (2020年3月12日 23時) (
レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
ichiconv6(プロフ) - 本当にどうなる？先が読めない展開…果たして廉紫耀は再会して幸せになるのだろうか…土曜サスペンスみないな効果音が聞こえるよ。 (2020年3月11日 23時) (レス) id: 9124e2aeb0 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 蘭さん» 反応ありがとうございます！どうなってゆくのか、展開をどうぞお見守りください...！笑 (2020年3月5日 21時) (レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - うわああああああああやばいですうううううう！！！！！！最後の1文やばいてすうううううう (2020年3月4日 6時) (レス) id: 34cf0ac15c (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - あおいさん» あおいさんはじめまして。中毒性高いというのは初めて言われました！とても嬉しいです、ありがとうございます！ゆったりやってますがどうかよろしくお願い致します♪ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありす
| 作成日時：2020年1月20日 21時
