55 H.S ページ9
岸くんの作ってくれた朝食が、湯気を立てて置かれる。
本当に美味しそうなのに。
パク、と口に含む。......やっぱり、味がしない__。
ついこの間までは、こんな温かな料理に懐かしさと感動で涙していたのに。せっかく作ってくれているのに、味を感じられなくなってしまった自分が悔しい。これも代償の一つだろう。それでも、「おいしい」と今日も言う。間違いないのだろうけど。けど、岸くん、ごめん。
t「あれ、紫耀、もういらないの?」
h「ごめん......最近少食なんだよね......」
頑張って食べたけれど、それでも3分の1程残ってしまった。
味がしないのに加え、身体が受け付けてくれないのだ。多分、このままもっと食べたら......酷く、吐く__。
n「......なぁ紫耀、ほんまに大丈夫なん?」
h「うん。岸くん、本当にごめん......後でまた食べるから」
k「いや、それはいいんだけどよ......紫耀、ほんとにお前__」
その時、俺の携帯が鳴った。
h「あ、ちょっとごめん」
出る為にリビングから出る。
それは、清水さんからだった。
h「もしもし......」
何かあったのだろうか。
しかし返ってきた言葉は、
清《平野さん。今、危なかったでしょう?》
そんなものだった。
つまり清水さんは、俺のピンチを察して電話を駆けてきてくれたという訳だ。流石天界様。
本当にちょうどいいタイミングだった。助かった、ありがたい。あのままいたら、きっとまた何か怪しまれそうだったから。
とはいえ、真剣に心配してくれている優しいみんなから逃れているという事実がやっぱり俺を苦しめるのだ。
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星楽(プロフ) - セクゾさん» 良いですね!私もあの曲…生で聞きたかったな…いや、キンプリの声を生で聞きたかった… (2019年6月26日 22時) (レス) id: e5d2e5ce12 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - eriさん» ありがとうございます!励みになります!仲間ですね、本当につらいですね...;;諦めずお互い頑張りましょう;;当たると本当にいいですね(;▽;) (2019年6月26日 21時) (レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - セクゾさん» それは凄いです...;;キンプリちゃんのかっこよく可愛い姿をどうぞ目に焼き付けて来てくださいね(*´艸`*)本当におめでとうございます! (2019年6月26日 21時) (レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
eri(プロフ) - すごいですね!楽しんできてください。おめでとうございます! (2019年6月26日 21時) (レス) id: 9688dabebf (このIDを非表示/違反報告)
eri(プロフ) - いつも、楽しく読ませていただいてます。これからの展開が楽しみです!私もチケット、ハズレました…………。転売が多いのはすごく悲しいです。まぁ、復活当選を信じて待ちます! (2019年6月26日 21時) (レス) id: 9688dabebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ありす | 作成日時:2019年5月31日 16時