Challenge 2【Sho 絆】

68 N.R ページ22

清水さんは、顔色を全く変えず、俺を真っ直ぐ見て聞いていた。
そして、


清「......永瀬さんは、どうお考えなんですか？」

n「、え......」


まさか、質問が俺に返ってくるなんて思っていなくて、言葉に詰まってしまう。
そりゃ、本当に何かあるとは言いきれんし、俺の勘違いかもしれへん。もし何かあったとしても、素直にすぐ話してくれるような人には見えなかった。やから自分の踏ん張りどころ、と思ってたんに。


n「そ......そんなの、わからないからこうして訊いてみてるんやないですか！俺は......俺は......紫耀が、このまま何か、消えてまいそうで......ッッ俺＿＿ッッ」


あれ。俺、何言ってんだ＿＿

清水さんは、最後に呟いた俺の言葉に、僅かにだが、驚いたように目を見開いた。


清「永瀬さん......。凄いですね＿＿」

n「え......」


驚きと関心が混じったような表情で、俺を凝視する。それは、どういう意味なん＿＿？


n「永瀬さんには、平野さんがそのように見えるのですね......。
しかし、残念ながら。私が永瀬さんにお伝えできるような事実は、ありません。すみません」

n「ッッそんな！う、嘘や......！！」


いや、けどどことなく含みのある言い方に感じる。これで何も知らんとか、嘘やろ？信じられへん。


清「では、私はこれで」


かすかに驚いたような素振りはしたが、それでも動揺など一切無く、軽く一礼して立ち去ってゆくその後ろ姿。追いかける事は出来なかった。......というより、追いかけても無駄な気がしたのだ。

清水さん。どういう事なん......？
本当に、何も知らないんか.......何も、無いんか......？
しかし思い出される数々の紫耀の様子。いいや。やっぱり、違う。何かおかしい。
もう、こうなったら......紫耀本人を、問い詰めるしかあらへん......！！


暫く立ち尽くして考えていたが、よし、と歩き出した。

今日、紫耀が帰ってくるのを待って、それから訊いてみよう＿＿という決意を胸に......。




しかし＿＿







n「しょ、紫耀！？」


ついでに途中で立ち寄った、人気のないトイレ。

そこから、絶え間ない、苦しそうに嘔吐く音が聞こえて、びっくりして駆け寄ろうとした時、ちょうどひらいた扉から出てきた人物に、目を見開いた。


h「ッッれ、廉......？」

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