�� ページ5
●永瀬side
やっぱり予想通り、拒食症と診断された。
聞けば、俺達みんなの前ではちゃんと食べるふりして、後でひっそり全部吐き出していたらしい。
まるで当たり前かのように言った紫耀に、心が痛んだ。
俺の事なんか、よくガリガリ言う癖して、今じゃお前の方がよっぽどやないか......。
先生からは、まずは胃に優しいものから、少しずつと言われた。
帰りに買ってきたゼリーを、紫耀の目の前に置く。
t「とりあえず、ちょっとずつでいいから、食べてみようよ」
h「......」
暫くそれを眺めていたけれど、ゆっくりとした動作で、食べ始めた。
みんなの前では普通のように食べていた紫耀やから、何も問題なく食べ切った。とは言っても、それは今だけ。
紫耀の家に泊まる事にしたけど、やっぱり、暫くして＿＿
h「ッッ＿＿」
顔は青ざめ、バッと勢いよく立ち上がってそのままトイレへ駆け込んでいってしまった。
h「ッッう......ぐッッげほ＿＿うぇ＿＿ッッ！！」
喉の奥から潰れるような声を出して、戻していた。
やっぱり、そう簡単にはいきひんか......。
その細くなった背中に手を添えてやる。
今はこうするしか出来ん自分が悔しい。
暫くはずっと、こんなんが続くんやな......。
紫耀は、ずっとこれを、一人で＿＿。
その後、ようやく落ち着いた紫耀は、ゆっくりと、語りだした......。
難しい役に抜擢されて、今の自分じゃ全然合ってないと。何としても、みんなの期待を裏切るわけにはいかないと。せっかく俺を選んでくれたのに、俺のせいで評価が下がるのは本当に耐え難いと＿＿。
そんな風に、重く受け止めて、真剣に悩んでたんやな......。
俺らみんなの前では、きっと心配かけまいといつも通りに振舞って、でも実は俺が思ってたよりずっと、一人で抱えて考えて、悩んでたんや＿＿。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありす(プロフ) - Makeさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します♪ (2019年2月21日 23時) (
レス) id: 5980c14644 (このIDを非表示/違反報告)
Make(プロフ) - 更新頑張って下さい！ (2019年2月21日 22時) (レス) id: 7387ff000b (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - ありすさん» ああありがとうございます…｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ 感心に尊敬もして頂けて、満身創痍でございます…泣 そんな事ないですよ！病気の事とか凄い的確で、私はいつも調べても何が何だか全然分からなくて笑 流石だな、と感心しています(*´-`) これからも頑張って下さい♪ (2019年2月3日 20時) (レス) id: 52f541da79 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - しぃさん» いえいえ！リクエストがあっても、どうしても同じようなものとかもあるのに、よくいつもあんないろいろな惹き込まれる話が書けるのか、といつも感心尊敬です(；▽；)私も知識全然無くて、多分小説書きながら恥かいてます笑そうですね、短編楽しくなってます笑 (2019年2月3日 0時) (レス) id: 79dd5b254a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - ありすさん» きっと既にネタ尽きてるはずです(;´д｀) (2019年2月2日 23時) (レス) id: 52f541da79 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありす
| 作成日時：2019年2月2日 15時
