133 K.Y ページ36
あれ程何度も願ってきた事だったけど......いざその時が来ると、信じられないもので。
みんな一瞬、呆然として、俺は酸素の足りない魚のようにはくはくと声にならない叫びをして.....
n「ッッ紫耀！！！」
j「ッッ紫耀、わかるか！？」
i「紫耀！？大丈夫！？」
t「しょお〜〜〜ッッ！！」
ようやくみんな、慌てて声を掛ける。
俺は我に返ってナースコールを押した。
紫耀の、ぼんやりとまだ焦点の合わない目が、ゆらゆらと上下左右に彷徨い、
h「＿＿ぁ......ぇ......、＿＿ぃ......ぅ＿＿......」
少しカサついた唇が、動いた。しかし空気が漏れるような音ばかりがするだけで、ほとんど声にはなっていなかった。
k「紫耀ー？大丈夫だから。無理して喋んな」
長い間眠っていた＿＿それは身体の至る場所にも影響を及ぼす事で。
まだ焦点が合わないのも、声が出ないのも。紫耀は特に、喉が繊細だから余計に。その上......気道熱傷にもなったし。
今はもうほとんど良くなったが、あの時は本当に心配した。
口から入れられるチューブが、痛々しくて。声がでなくなったたどうしようとか、とにかく怖くて怖くてたまらなかった......。
そうしているうちに、先生と看護師さんがやってきて。
紫耀の身体を診ていくのを、じっと後ろで見守った。
t「ッッしょお〜〜〜良かった.......」
j「本当......よかった、紫耀＿＿」
i「うんうん＿＿諦めない甲斐があったね......！！」
さっきの怒りとか暗い気持ちも一気に吹き飛んで、今は涙を流し、そうみんな喜んでいた。
俺も勿論、本当に嬉しい。
何度、心が折れそうになったか。訪れても、毎日毎日変わらない眠り続けた姿を目にした時の落胆、絶望感。
それでも、きっと＿＿と信じ、声を掛け続けた。
それがようやく......届いたのか。
紫耀は、意識を取り戻したのだ。
なんて感動的な事か。
嬉しくないはずが無い。
けど......
不安がまた一つ、現れた。それは＿＿
さっきの、声にならなかった紫耀が、言おうとした言葉。
一番手前にいた俺はわかった。そして隣にいた廉も、きっと同じように......。
＿＿みんな 、 だいじょうぶ ？ ごめんね ＿＿
どうして......紫耀が、謝るんだよ＿＿
何か、胸がざわつく。
まだ、これで解決したという訳ではないのだということを、僅かにだが、今既に俺は感じ取っていた。
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ありす(プロフ) - まいさん» ありがとうございます！できる限り更新頑張りたいと思いますので、またこれからもよろしくお願いします♪ (2019年1月18日 20時) (
レス) id: efc5b55c14 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！ (2019年1月18日 19時) (レス) id: e804b3a6cb (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - ruikaさん» ありがとうございます！頑張る糧に繋がります(；▽；)これからもよろしくお願い致します♪ (2019年1月13日 11時) (レス) id: efc5b55c14 (このIDを非表示/違反報告)
ruika - ありすさんこんにちは！いつも更新楽しみにしています！なんか感動しちゃって(T . T)これからも更新頑張ってください（≧∇≦） (2019年1月13日 11時) (レス) id: 7a2fe05ae2 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - ひらの だいきさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです。この調子でなるべく毎日更新できるように頑張りたいと思います！ (2019年1月10日 22時) (レス) id: efc5b55c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありす
| 作成日時：2019年1月6日 20時
