98 H.S ページ1
七(達)「動けないような身体にしてやるよ......！！」
さっきの比じゃない。
七瀬さんの顔で達弘から、無言で殴り蹴りを繰り返される。
もはや抵抗する気力も残されていなかった。
頼りになる優しいマネージャー＿＿七瀬さんなんて人は偽りで、存在しなかった。本当のところはただ、俺への憎悪に囚われた、親友だった達弘。
彼に、気の遠くなる程の暴力を、力の限り振るわれる。
少し離れた所で、加勢する訳でもなく、無言でその光景を見つめる、暗い表情の貴弘......。
いつの間にか、あんなに泣き叫んでいた俺の涙は止んで。
心が死んでしまったかのようだった。
どれだけそうされたのか......。
暴行が止んだ時には、指一本動かせる体力も残されていなかった。
手足は勿論、身体中激痛だし。
まだ血が流れているのか、頭はくらくらするし、焦点も定まらない。
死を予感した。
七(達)「ッッはぁ......これで、終わりだ＿＿」
狂気的な声色で、どこか奥の方へ向かう音。
刹那、ガタッという音がしたかと思ったら、バシャァァン！！と辺りに何か、液体のようなものが撒き散らされるような音が響き渡った。
冷たい飛沫がかかる。ぬるりとした。
そして......嗅いだ事のある、ツンと鼻につくような、不快な匂い＿＿。
ガソリンだ＿＿。
これから彼がしようとしている事を即座に理解して、戦慄した。
七(達)「どうせもう、俺の人生はめちゃくちゃだ＿＿！！
だから、ここで3人、死ぬ＿＿！！」
3人、というワードに痛みすら忘れて起き上がろうと俺よりも早く、反応したのは貴弘だった。
達(貴)「ッッそれって......！！俺らも、死ぬって事＿＿！！？」
掴みかかるその顔は、酷く青ざめていた。
七(達)「だからそう言ってるだろ」
達(貴)「＿＿ッッ駄目だよ！！」
その声は、この狭い古びた家の中を突き抜けるのではないかというくらいだった。
今まで比較て静かで、何もしてこなかった貴弘が、初めてここで動いたのだ。
それは、驚きと焦りの色がはっきり濃く滲んでいた。
達(貴)「聞いてないよ......。死ぬなんて。
紫耀くんに真実を話して、絶望を味あわせる......それだけじゃなかったの！？」
七(達)「それだけで満足できるわけないだろ。
それに......俺だって、こんな人生もう嫌なんだ。何もかも。
俺達は、もう元には戻れない。どうせ刑務所行きだ.......。
だったら、ここで死ぬのが一番だろッッ！！！」
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ありす(プロフ) - まいさん» ありがとうございます！できる限り更新頑張りたいと思いますので、またこれからもよろしくお願いします♪ (2019年1月18日 20時) (
レス) id: efc5b55c14 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 毎日更新楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！ (2019年1月18日 19時) (レス) id: e804b3a6cb (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - ruikaさん» ありがとうございます！頑張る糧に繋がります(；▽；)これからもよろしくお願い致します♪ (2019年1月13日 11時) (レス) id: efc5b55c14 (このIDを非表示/違反報告)
ruika - ありすさんこんにちは！いつも更新楽しみにしています！なんか感動しちゃって(T . T)これからも更新頑張ってください（≧∇≦） (2019年1月13日 11時) (レス) id: 7a2fe05ae2 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - ひらの だいきさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです。この調子でなるべく毎日更新できるように頑張りたいと思います！ (2019年1月10日 22時) (レス) id: efc5b55c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありす
| 作成日時：2019年1月6日 20時
