ルージュの指輪 (ページ41)

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Sapphire ページ41

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目の前で困った顔をする彼にあえて説明はしなかった。
正直、真意を知られるのは照れ臭いから。

「青い食べ物ってあんまないんよな、結局ソーダ味の何かばっか。」

「まぁ、そうやろ。」
「お祭り繋がりでブルーハワイのかき氷とか？」

駿佑がりんご飴をくれるようになったのは、
高校に入ってからだった。

昔は見た目に惹かれたりんご飴も中学の時には買わなくなっていたというのに、彼はそれを知らなかった。

その時気付いたんだ。
彼の中の私は中学に入る前で止まっていたのだと。
そしてその頃からとっくに私は駿佑に想われていたのだと。

「Aがくれるなら何でもええよ。」
「…ちゃんと考えるわ。」

ルビーとサファイアが同じ鉱物なら、
駿佑がくれたルビーと私が渡すサファイアは同じものであればいいと思う。

今まで彼が1つ1つに込めてくれた愛情と同じものををこれから返していきたい、と。

「はい。」
「さっき食べたのにまた買ったん？」
「ルビーに見えるのはやっぱこれやから。」

キラキラと輝く飴が本当にルビーのように見える。

「コンビニ寄ろ。」
「何買うん？」
「ソーダ味のアイス？グミとかでもええけど。」
「まだ言ってんのそれ。」

「一応、お返し。」

今はまだこんなものだけど。
いつか同じ愛を渡せますように。

宝石を、君に。