ルージュの指輪 (ページ24)

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Morganite ページ24

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「…おはよ、」
「おはよう。寝癖ついてんで。」
「うそやん、どこ？」
「後ろ。届かへんからちょっとしゃがんで。」

元通りの朝
同じ時間、同じ道。
ただ1つ変わったのは、手を繋がなくなったこと。

私の気持ちを優先する、と言った彼は私に触れなくなった。元々ベタベタしていた訳でもないけれど。彼には彼なりの線引きがあるのだと思う。

だから、私はそれに口出しをすることは出来ない。

「ありがと。」

まだ覚めきっていない目を擦る彼を見て、妙に意識してしまう。それは明らかにあの日の言葉がきっかけで。あれから私はおかしいのだ。

「明日はバイト無いやんな？」
「ないけど。」

「じゃあ久しぶりにメシ行こや。」
「飲みすぎたら運べへんで。」
「そんな飲まへんよ。」

二人きりに緊張して、逃げ出したくなる。
でもそのせいで駿佑と距離が出来たら寂しいと思うのだろう。

「じゃあ、明日。」
「うん。」

嬉しそうに手を振る姿を見て思う。
多分私は、駿佑が好きだ。