episode.169 ページ10
＊チャンミンside
着信履歴に残る、Aからの不在着信。
リダイヤルボタンを押そうとしては躊躇して押せず・・・そんな事を繰り返しているうちに、丸２日経っていた。
『最悪だ・・・』
自分で自分が嫌になる。
男のくせに、
フラれるのが怖くて連絡出来ないなんて情けない。
このままではいけない。
そう分かっていても、関係が終わってしまうくらいならこのままでいたい・・・
そんな、何も前に進まないループに陥っている。
ソファに深く腰掛けたまま天を仰いで、溜息をついた。
『チャンミナ』
誰もいないはずの部屋で、
急に名前を呼ばれて驚いてドアの方を振り返る。
ユノヒョンだった。
今日は別々の仕事なのに、どうしてここにいるのか。
その理由は１つしかない。
『ごめん、ノックしたんだけど』
『あぁ・・・気付きませんでした』
『ちょっといい？』
ついこの間も、こうして目の前にヒョンが座って話をした。
最近は、こんな空気になるばかりだ。
『ハヌルと別れてきた』
やっぱり。
周りは確実に、変わり始めている。
俺が何もしなくても、結局はAとの別れが来るのだろうか。
『もう一度、聞いておこうと思って』
『何ですか』
『Aに告白して、いいの？』
ダメだと言ったら・・・しないのか？
ずるいな。ヒョンはもう、言うつもりでいる癖に。
『チャンミンとAの邪魔することになる』
邪魔・・・か。
ヒョンに告白されたら、Aはどうするのか。
・・・俺との関係を切る。
そんなの、分かりきったことだった。
『恋愛では・・・ライバルになる。
だけど俺たちは、今まで通り仲間だよな』
俺の顔色を伺うように、そう言った。
疑問形じゃないのは、それだけヒョンは信じているのだろう。
''東方神起''のユノとチャンミンの仲にまで、亀裂が入ってしまうことなどないと。
・・・本当に、ずるい人だ。
『・・・そうですね』
否定なんて出来ない。
ヒョンの事は好きだし、尊敬している。
恋愛を仕事に持ち込むなんて言語道断
・・・だった。今までは。
Aの事になると・・・その自信がない。
Aがヒョンのものになっても、
今まで通りに接することが出来るのか。
・・・自信なんて、俺にはない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 955人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みえ(プロフ) - 更新してほしいです。 (2019年3月20日 1時) (
レス) id: 7bd0d913fe (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 初めまして。Lilyさんが描く東方神起の二人、切ないです。続き楽しみにしてます。 (2018年12月8日 16時) (レス) id: 7dc078b1db (このIDを非表示/違反報告)
結菜(プロフ) - 初めまして。一気にシリーズ読ませていただきました！切なくて自然に涙が出てきました...続きを楽しみにしています。 (2018年9月27日 9時) (レス) id: 215455183e (このIDを非表示/違反報告)
ユノシェフ - 家事も忘れ、むさぼるように一気に読みました。早く続きが読みたいです(*≧∀≦*) (2018年2月20日 10時) (レス) id: d5eef77b0d (このIDを非表示/違反報告)
由紀(プロフ) - 続きが読みたいです( ´艸｀) (2018年1月31日 16時) (レス) id: 6001fbc3c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lily | 作成日時：2017年11月22日 20時
