episode.165 ページ6
＊ユノside
『久しぶり』
マンションのドアを開けたハヌルが、笑顔で出迎えてくれた。
その笑顔にいつもなら安心するのに、今日は罪悪感が募る。
これから俺は、この笑顔を消してしまう。
『ご飯食べた？』
『うん』
『そっか。今コーヒー入れるね』
キッチンに立つハヌルを、ダイニングテーブルに座って眺める。
いつもならソファに座るけれど、今日は違う。
・・・いつもとは、違う。
ハヌルも違和感を感じているはずだ。
俺の少しの変化も気付いてしまう人だから。
『はい。どーぞ』
『ありがとう』
目の前に置かれたコーヒーに口を付ける。
いつもより、ほろ苦く感じた。
『そうだ。この間、母親がいっぱいリンゴ送ってきてね・・・食べ切れないから少し持って帰って？』
『あぁ、ありがとう』
『あ、昨日バラエティ出てたね。咄嗟に録画しちゃった』
ハヌルはどこか、無理して話題を探しているようだった。
まるで、俺からの話を避けるように。
もう一度コーヒーを飲んで、小さく深呼吸してハヌルを見た。
『ハヌル』
『・・・ん？』
『話があるんだ』
ガラリとさっきまでの雰囲気が変わる。
握りしめた拳に、じわじわと汗が滲み出す。
『あのさ、俺・・・』
『ちょっと待って』
ハヌルの目線が、テーブルから俺へと移る。
『ユノは、私のどこを好きになってくれた？』
『え・・・』
『どうして私と付き合ってくれたのかなって』
『・・・優しくて、周りのことよく見てて、すごく大人で。それに、俺のこと理解してくれる。
そんな所が好きになった』
『・・・そっか。よかった』
''よかった ''
そう言ったことに、驚いて目を見開いた。
『ちゃんと・・・私のこと好きでいてくれたんだなって思えた』
『ハヌル・・・』
『話って・・・何？』
覚悟をしたような、そんな目をしていた。
『ごめんっ・・・』
全て、分かっているのか。
黙って俺の言葉を待つハヌル。
もう言わずにはいられない。
『俺・・・Aの事が好きだ』
静寂した部屋の中、時計の針が刻む音だけが聞こえる。
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みえ(プロフ) - 更新してほしいです。 (2019年3月20日 1時) (
レス) id: 7bd0d913fe (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 初めまして。Lilyさんが描く東方神起の二人、切ないです。続き楽しみにしてます。 (2018年12月8日 16時) (レス) id: 7dc078b1db (このIDを非表示/違反報告)
結菜(プロフ) - 初めまして。一気にシリーズ読ませていただきました！切なくて自然に涙が出てきました...続きを楽しみにしています。 (2018年9月27日 9時) (レス) id: 215455183e (このIDを非表示/違反報告)
ユノシェフ - 家事も忘れ、むさぼるように一気に読みました。早く続きが読みたいです(*≧∀≦*) (2018年2月20日 10時) (レス) id: d5eef77b0d (このIDを非表示/違反報告)
由紀(プロフ) - 続きが読みたいです( ´艸｀) (2018年1月31日 16時) (レス) id: 6001fbc3c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2017年11月22日 20時
