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結局、未紗が合流した後、本当に小瀧は別行動をとってくれた。
「ちょっと携帯のカバー見てくるわ」なんて。
未紗に「いいの?」と聞いたらどうせ私と別れた後一緒だし、と惚気にしか聞こえない突き放し。
早速相談を持ちかける。
「そろそろ付き合って一年だし大毅になんかあげたいなーとか思ってたりするんだけど...」
「なるほどね、でもあいつの好みってなに?」
「...わかんない」
「...Aがわかんなくて私に分かるわけないよね」
「一緒に悩んでほしいのー!」
「ハイハイ」
とりあえずさっき必死で検索した結果で無難そうなものを探すことにした。
「重岡かー...とりあえずアクセサリーの線はなしね」
「わかる!?大毅まっったくつけないの!」
「わかる...けどいつの間に名前呼び?頑なにしげおか呼びだったのに」
「あー...この間直されました」
普段中々見れない「かわいい」大毅を思い出して思わず頰が緩む。
「うっわー顔気持ち悪、とりあえずじゃあ小物系ね?」
「そうそう、...あと使ってもらえるものがいいな、毎日」
ショッピングモールの中を歩き回って少し足が重くなってきた頃。
最初は張り切っていたけれどさすがに疲れてくる。
あれやこれやと見るけれどしっくりくるものがない。
「ちょっと一回休憩しない?」
さすがに疲れたのか未紗が指差したのはアイスクリーム屋さん。
いいよ、と返してそちらに歩き出した時。
アイスクリーム屋さんの隣のお店が目に入った。
おしゃれで味のある革の小物がたくさん並んでいる。
わたしが手に取ったのは、赤っぽい色の、小さめのキーケースだった。
一目でこれだ、と分かった。
支払いを終えて、店員さんに包んでもらう。
「お姉ちゃん見る目あるね、彼氏にあげるの?」
包んでいる間に話しかけてくれた人の良さそうなおじさん。
「はい、」
「これは使えば使うほどいい味出るからね、大事にしてもらいな」
それほど使い込んでもらえるかしら、なんて。
受け取って店を出て、少し休憩する。
未紗がそろそろ、と小瀧を電話で呼んだ。
「じゃあわたしそろそろ帰るね?」
小瀧との電話を切った未紗に手を振る。
「え、ご飯一緒に食べたかったのに」
「それは彼氏彼女でやってくださーい、じゃね!付き合ってくれてありがと!」
ひらっと手を振ったらそれ以上は未紗も言わなかった。
「じゃ、重岡の反応教えてね!」
「はいはーい」
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理衣(プロフ) - 浮気?書いてほしいです! (2018年4月4日 20時) (レス) id: 17be00a5d4 (このIDを非表示/違反報告)
TTR(プロフ) - この小説も前作も面白いです!消さないでくださいね〜 (2018年3月4日 12時) (レス) id: 7ecb9e6c11 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 楽しみにしてました! しげおか目線で、バレンタインのおはなしが、見たいです。 (2018年2月21日 3時) (レス) id: 981edafabf (このIDを非表示/違反報告)
ri-n-co - 待ってました!!!って感じです(笑)ちょっとSなしげと超あまあまなしげ待ってます◎頑張ってください◎ (2018年2月18日 22時) (レス) id: 36478c26c4 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 続編すっごく嬉しいです!結ばれるまでのお話を重岡sideで見てみたいです! (2018年2月17日 19時) (レス) id: a65096bb52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2018年2月14日 20時