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「美味しいね。」
「あ、これ智好きだよ。」
「まじ？」
「ほら。」
少し歩いて近くのファミレスに入った。
宣言通りにスパゲティを注文し、頼んだスパゲティをくるくるっとフォークに巻きつけ智の口に運ぶ。
それを躊躇せずにあーんと口を開ける智。
パクリ
「あ、まじだ。うまいね。」
「でしょでしょ。」
お互い食べさせ合うのは昔からだから、私達の中では普通の事。
智と2人の時はお酒を飲む事が許されているので、2人でワインなんて小洒落たモンを飲み、冗談を言いながら、喋って飲んで笑う。
「Aちゃん。食後の甘いものは？」
「食べたい。」
「どれにしようか。」
なんて、智も甘党だから女子同士のように2人できゃっきゃ言いながらスイーツを選ぶ。
側から見たらカップルに見えるかも。
ワイシャツにファンデーションを付けたままの男と、目を腫らした女。
どんな状態なのか、私達を見た人はきっと不思議に思うだろうね。
前は翔と3人だったから…。
やっぱり思い出してしまう私に、「ついてるよ」と言って、私の唇の端を親指で拭ってクリームを取ってくれた智を見て現実に戻る。
「子供じゃん。」
そう言って、ペロリと当たり前のように親指のクリームを舐める智に不覚にもドキっとしてしまった。
「言ったでしょ。Aはこの世でひとりだけなんだよ。色々な分岐点で道を選んで、進んで来て、今こうしてここにいるAひとりしかいないんだ。だから、あの時こうしていれば…そうしていれば…なんて答えはないんだよ。真実はひとつ。今のAの状態が答え。」
見透かされてしまっている事にもう驚く事はなく、
「あんたはエスパーか。」
普通にツッコミを入れる。
「ハンドパワーです。」
そう言って両手を広げる智に
「バーカ。」
と、ツッコミを入れて、こんな照れ隠しも見透かされているだろうと思いつつ、ぐびっとワインを飲む。
「あんた今日イケメンだね。」
「そらどーも。ってか、いつもだよっ。」
そう言って、智が笑う。
心がぽわんと温まる。
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その瞬間、モノクロの世界にまたぽつりと一雫、色がついた気がした。
それは確実に智の色だった。
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ことら(プロフ) - とも様コメントありがとうございます！こちらのお話を読んでいただいて大変光栄です。智さんには報われて欲しくて今回このお話を書きました。感想をいただいて感謝です。ありがとうございますm(_ _)m (2021年4月16日 22時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 優しすぎる智くんに涙です。ずーっと大好きな彼女を想い、さりげなくそばで守り、健気で泣けてくる。やっと自分の気持ちを伝えて両思いになれ結ばれて〜嬉しくて言葉になりません(笑)とっても心が暖かくなりました。素敵なお話をありがとうございました。 (2021年4月16日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - けいこさまコメントありがとうございます。智さん不足は私もです(笑)また会える日を励みに頑張りましょうね。 (2021年4月12日 20時) (レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - 智くん不足で今になって読みました。ますます‥智くんに会いたい気持ちがジワジワ。可愛くてカッコいい智くんを描いてくださりありがとうございます！ (2021年4月12日 6時) (レス) id: 329673fcf6 (このIDを非表示/違反報告)
ことら(プロフ) - なるちゃんさんコメントありがとうございます！こんな未熟者の作品を褒めていただき恐縮です。 (2018年8月29日 12時) (レス) id: f90816f02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2018年7月28日 23時
